先輩からのメッセージ


茂垣 里奈 (海外留学報告)

化学生命工学専攻 博士課程 平成31年修了

私はリーディング大学院(ライフイノベーションを先導するリーダー養成プログラム, GPLLI)の海外短期留学制度を利用して、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zürich)のHelma Wennemers教授の研究室で約3ヶ月間研究を行いました。
私は学部の卒業研究から相田研究室に所属し、タンパク質や核酸などの生体高分子に接着する『分子糊』に関する研究をしています。短期留学に際し、「せっかく行くなら新しい研究分野に一から挑戦してみたい!」と考え、ペプチド化学を専門とするWennemers研究室で全く新しい研究を行うことにしました。
Wennemers研ではコラーゲンに関するテーマに携わり、ペプチドの合成や精製方法、各種アッセイを一から学びました。学部から大学院で学んだ基礎知識や研究に対する取り組み方・考え方は、慣れない環境・異なる分野でも大いに活きました。また、ETHは研究環境や設備が大変充実しており、ポスドクと博士課程学生を中心とする研究室のメンバーと共に、研究に存分に集中することができました。熱意のあるメンバーたちとの研究生活や(ときにお酒を片手にした)ディスカッションは刺激的でとても楽しかったです。
後日談ですが、私の留学から約1年半後、Wennemers研で一緒に研究をしていた博士課程学生が相田研に短期留学で滞在し、共に分子糊の研究に取り組みました。スイス滞在中も、学会や大学院生向けプログラムなどを通じて知り合った国内外の友人にアドバイスをもらったり、一緒に旅行に行ったりしました。科学を通じて世界中の研究者と交流できることも研究生活の魅力の一つです。
最後に、受入を快諾してくださったWennemers教授とお世話になった研究室のメンバー、留学に快く送り出してくださった相田教授、そしてご支援を賜りましたGPLLIにこの場をお借りして御礼申し上げます。


大竹 沙耶

化学生命工学専攻 博士課程 在学中

進学先を選ぶ際、もともと生命の不思議や身近な化学現象に興味を抱いていたこと、また将来医療分野に貢献したいと漠然と思っていたことなどから、化学生命工学科を候補の一つとして考えていました。最終的には研究室見学をして各研究室の研究内容や先輩方の雰囲気に魅力を感じ、この学科を選びました。進学後は、化学を中心に幅広い学問を授業や演習を通して学び、学部4年次から研究室で本格的に研究活動を開始して今に至ります。
私が現在取り組んでいるのは、合成した分子を用いて細胞膜を修飾し、薬剤を効率よくがん細胞内に送達するしくみを開発するという、まさに化学と生命科学の融合領域に位置するような研究です。そのため幅広い知識や技術を必要とし、大変なこともありますが、先生や先輩方の手厚いサポートや充実した実験環境の下、自分の興味に基づいてやりがいのある研究に携われる幸せを感じています。研究では、それまでの座学や学生実験とは違い決まった答えのない問いに挑まなければならず、思い通りにいかないこともしばしばです。しかし新しい発見に出会えたときや何かを達成したときの感動は格別で、自分の研究を通じて世界中の研究者とつながることができる興奮と喜びを味わうことができます。今後も研究をはじめ様々な活動に挑戦して自分の世界を広げていきたいと思っています。
化生に少しでも興味をお持ちの方はぜひ一度研究室を訪れてみてください。皆さんの知的好奇心をくすぐる研究や熱意に応える環境に出会えるはずです。


細野 裕基

化学生命工学専攻 博士課程 在学中

『生命とは』 元々は宇宙工学に興味があった私でしたが、前期教養学部時代に生命科学の講義を受けてこの問いに出会い、学びたい分野がガラリと変わりました。自己複製や代謝などの生命活動の根底は分子の化学反応です。そのため、真の意味で『生命』を理解するには化学と生命科学を両面から学ぶ必要がある。そう考えて本学科を選択しました。学部3年次には「早期研究室配属」というプログラムに参加し、通常よりも早く研究室に配属されました。最先端の研究に触れる楽しさはもちろんのこと、座学と研究がリンクするので授業の面白さが一層感じられ、非常にいい機会でした。研究室では、配属当時より興味のあった、生体内で重要な機能を持つタンパク質を操る分子の設計を行なっています。当時は修士で就職の予定でしたが、研究の面白さに取り憑かれ、気づけば博士課程への進学を決めているほどでした。
研究はわからないことだらけです。だから面白い。もちろん上手くいった時の喜びは、表現しようがありません。さらに本学科には、そういった研究を楽しむ学生を全力で支えてくださる教員がいます、制度があります。共に研究を楽しみ、共に夢を描ける仲間がいます。研究するには最高の環境です。皆さんも私たちと共に本学科でサイエンスの楽しさを味わってみませんか?


時丸 祐輝

化学生命工学専攻 博士課程 平成31年修了

科学者として社会に貢献するためには、ひとつの学問だけではなく複数の学問を組み合わせて、解決策を模索してゆく、新しい概念を創出していくことが必要です。そういった能力の向上のために、化学と生命科学のダブルメジャーを謳っている化学生命工学科を進学振り分けの際に選択しました。
いざ配属されてみると、有機化学と生命化学を中心として、化学工学、物理化学など驚くほど多様な授業を受講でき、大変ではありましたが確実に自分の血となり肉となってゆくのが実感できました。また、英語によって行われる授業など語学力を鍛える環境も充実しており、ほとんど英語を使う機会のなかった私にとっては、勉強する良いきっかけとなったのを覚えています。
4年生からは研究室に配属になり、研究を行うこととなります。私は現在博士課程に在籍し、デバイス構築に向けた芳香族化合物の合成研究を行っておりますが、3年生までに培った多様な学問をベースとして、世界最先端のサイエンスをエンジョイしています。研究生活ではうまくいかないことも多いですが、優秀な仲間や先生たちと協力しつつ、うまくいったときの喜びは格別です。
みなさんも化学生命工学科で自分の可能性を広げてみませんか?あなたのチャレンジ精神に必ず応えてくれる環境です。

泊 幸秀

東京大学 定量生命科学研究所 教授
化学生命工学専攻 博士課程 平成15年修了

化学生命工学科で学ぶ内容は非常に多岐にわたります。分子生物学・生化学にとどまらず、高分子化学、有機化学、物理化学、分析化学など、生物系に特化した学科では学ぶ機会が多くないものも含まれます。
私は現在、RNA干渉を引き起こすsiRNAを含め、遺伝子発現を緻密に制御している「小さなRNA」が働くメカニズムについて研究を行っています。日常的に使用するのは分子生物学・生化学が主ですが、分子レベルで生命現象を理解しようとした時、有機化学、物理化学などの知識は欠かすことが出来ません。学生時代に、当学科において幅広い分野の基礎をたたき込んで頂いたことは、私の大切な財産です。
また、学生実験・実習がとても充実しているのも当学科の特徴です。サイエンスにおいて、実際に手を動かさなければ身につかないことは数え切れないほどありますし、何より純粋に楽しいものです。実験・実習を通して、サイエンスの面白さの神髄に早い段階で触れられたことを、今も大変感謝しています。

鳴瀧(菅原) 彩絵

名古屋大学大学院工学研究科 准教授
化学生命工学専攻 博士課程 平成16年修了

原子や分子を診て操ることができる学問「化学」に興味があり、なかでも、複雑な分子システムである「生命」までを学ぶことができる化学生命工学科に魅力を感じて進学を決めました。3年次には有機化学や生命化学など、多岐にわたる授業や演習、実験をとおして専門科目への理解を深めます。研究室に配属されて未知の研究テーマに取り組む段階になると、先生や先輩との距離もぐっと縮まり、実験の進め方や論文の書き方などを直接指導してもらいます。私は卒業論文の内容を、学会や英文雑誌で発表する機会を与えていただき、自分の研究を世界に発信する面白さを知りました。博士課程まで一貫して化学生命工学科/専攻に在籍し、密度の濃い研究生活から多くのことを学びました。本学科で幅広く学んだ経験を生かし、卒業後には国内外の研究室で異分野の研究にも挑戦することができました。
現在私は、名古屋大学で遺伝子工学と無機化学の境界領域に位置する研究をしており、学生時代に学んだことからアイディアを得ることもあります。化学生命工学科は、頑張る人を応援する、活気にあふれた学科です。自分の可能性に挑戦したい、元気な皆さんの進学をお待ちしています。

木村 真弓

協和発酵キリン(株) 勤務
化学生命工学専攻 修士課程 平成21年修了

「化学もバイオも学べる」という謳い文句に惹かれて進学を決めた化学生命工学科でしたが、いざ進学してからは、有機化学から生命工学・分子細胞生物学まで、各分野の専門家である先生方によって展開される、最先端の研究内容を織り交ぜた内容の授業に圧倒された記憶があります。研究室に配属されてからは核酸化学をベースとし、それをバイオテクノロジーやナノテクに応用する研究を行いました。核酸化学に生化学や有機化学の手法を取り入れることで、様々なアイディアが形になるのを目の当たりにし、最先端の研究がもつ無限の可能性にわくわくしたものです。
現在私は製薬会社で創薬研究に携わっていますが、化学生命工学科において、化学・生命の幅広い分野の最先端の研究を身近なものとして感じながら過ごせた学生時代は大変貴重なものであったと実感しています。化学生命工学科で培った広い視野、新しいものを生み出していくという工学部ならではのチャレンジ精神を今後の研究に活かしていきたいです。

佐竹 亮

富士フイルム(株) 勤務
化学生命工学専攻 修士課程 平成18年修了

進振りを控え、化学と生物の両方を学びたいという欲張りかつ優柔不断な僕にとって、工学部化学生命工学科(化生)は非常に魅力的に映りました。似たような名前の学科をもつ理学部でも農学部でも薬学部でもなく、ここ化学生命工学科を選んだ最終的な理由は、「工学」という道の先に「ものを創る」というイメージが沸きやすかったからです。現在私は、企業研究員として液晶ディスプレイの材料開発にいそしんでいます。学問としての化学・生物だけでなく、研究の進め方やものの考え方は化生で学んだことが大いに役立っています。
学部3年次で一連の基礎を習得した後、4年次より研究室配属となります。化生のひとつの特徴として、各研究室の研究内容が非常に多岐にわたることが挙げられます。また、国内外の研究室との交流もあり、学んでいく中で新たな興味や関心を発掘することも多いです。さまざまな面から化学・生物を広く学びたいという方にとっては、そのチャンスが十分に与えられる貴重な環境であると思います。ぜひ先生方とじかにお話しして、その環境の一端をのぞいてみてください。きっと皆さんの意欲にかなう場所があると信じています。