研究室紹介

吉江研究室

  • 大学院工学系研究科
研究分野
環境高分子材料学
キーワード
動的結合、生体模倣材料、動的構造制御、ナノパターニング、自己組織化、自己修復材料
URL
http://yoshielab.iis.u-tokyo.ac.jp/

MEMBERS

  • 吉江 尚子 教授 Naoko Yoshie
    • 03-5452-6309
  • 中川 慎太郎 講師 Shintaro Nakagawa
    • 03-5452-6310

最近の発表論文

研究テーマ

低分子よりも格段に遅い高分子の分子運動性と、そこから生み出される階層構造は、高分子らしさの本質であり、多彩な性能・機能の源である。当研究室では、高分子の構造と運動の複雑な協調性を理解し、それをダイナミックに制御することを通じて、マテリアルの新たな機能を探求している。また、環境分解性などの持続可能な社会の実現に資する機能をもつ環境高分子材料の開発も行っている。

動的結合を利用した高分子材料の機能開拓:

可逆的な共有結合や水素結合などの過渡的な結合を動的結合と呼ぶ。動的結合を導入すると、結合の解離・会合・交換を通じて高分子材料の構造をダイナミックに変化させることが可能になる。この動的な過程を適切な分子設計により制御し、自己修復性などのユニークな機能を有する材料を開拓している。また、特定の刺激のもとで解離する動的結合を用いて、自然環境中で容易に分解する材料の開発にも取り組んでいる。

生物にヒントを得た機能性高分子材料の開発:

生物は長い進化の歴史の中で優れた機能性を有する生体組織を生み出してきた。それらの機能性の源となる分子構造・分子集合構造を模倣することで、従来の材料を凌駕する物性・機能性を有する材料を開発している。

均一架橋による高性能高分子材料の開発:

私たちの生活に欠かせないゴムやゲルといった材料は、高分子鎖どうしを架橋した三次元高分子網目からできている。一般的な高分子網目は構造が不均一であり、それによる物性の低下が課題となる。多分岐高分子から合成される構造均一な高分子網目を基盤として、従来材料を超える高性能な材料の開発に取り組んでいる。