鈴木研究室
RNA生命化学

工学部 化学生命工学科 / 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻

http://rna.chem.t.u-tokyo.ac.jp/

  教 授
鈴木  勉
  講 師
鈴木 健夫
 

助 教
長尾翌手可
 

助 教
大平 高之

最近の発表論文

  • Nature Struct. Mol. Biol. 2017, 24, 778-782. [PDF]
  • Nature Chem. Biol. 2016, 12, 648-655. [PDF]
  • Nature Chem. Biol. 2016, 12, 546-551. [PDF]
  • Nature Rev. Genet. 2016, 17, 365-372. [PDF]

研究テーマ

生命の発生や細胞の分化,複雑な精神活動に代表される生命現象は,遺伝子発現の微調節によって生じている。また,これら調節機構の破綻が,様々な疾患の原因になることが知られている。RNAはセントラルドグマの様々な過程において,遺伝子発現を調節することでこれらの生命現象に深く関与している。当研究室では,分子生物学,生化学,分子遺伝学,分析化学,細胞生物学的なアプローチにより,様々な生命現象に関与するRNAの機能を明らかにすることを目標としている。

RNA修飾の多彩な機能と生理学的意義:

RNAは転写後に様々な修飾を受けて成熟し,はじめてその本来の機能を発揮することができる。これまでに140種類を超えるRNA修飾が,様々な生物種から見つかっている。当研究室では,細胞内に存在する微量なRNAを単離精製する技術や,微量RNAの高感度質量分析法(RNA-MS)を駆使することで,新しいRNA修飾の発見とその機能解析を通じ,RNA修飾が関与する生命現象を探究している。当研究室では7種類の新規RNA修飾および40種類を超える新規RNA修飾遺伝子を報告しており,RNA修飾の生合成過程や生理学的意義に関する研究を行っている。

遺伝暗号の解読とタンパク質合成:

DNAの遺伝情報は,mRNAに転写され,リボソーム上でタンパク質へと翻訳される。一般に翻訳精度は10-4~10-5であることが知られ,生物は様々なしくみを駆使することで高い翻訳精度を保っている。当研究室では,遺伝暗号の解読に関わる新しいtRNA修飾を発見し,生化学と遺伝学的なアプローチにより,その機能的役割と生理的な意義を探究している。また,新しい翻訳精度維持機構についての研究を行っている。

RNA修飾病の発症メカニズム:

ヒトの病気の発症メカニズムを分子レベルで解明することは,将来的な治療法の開発につながる重要な基礎研究である。私たちは,RNA修飾の欠損が疾患の原因になることを世界で初めて報告し,RNA修飾病(RNA modopathy)という新しい概念を提唱した。RNA修飾の欠損や異常がどのような分子メカニズムにより,疾患の原因になるかを,臨床検体,患者細胞,ノックアウトマウスなどを用いることで多角的な研究を行っている。