講義・時間割

2年生の9月から(A1, A2)専門科目の講義が始まりますが,基礎的な科目から,より専門的な科目へと順を追って進められていきます。


化学・生命系がチャレンジするテーマは,生体分子の設計から地球環境の再生まで,とても広い範囲に及んでいます。社会への貢献を意識してさまざまな問題を解決していくための第一ステップとして,化学・生命系には,工学部基礎科目と化学・生命系基礎科目そして実験・演習がそろっています。講義は化学・生命系3学科の教員が協力して行い,特に最初のうちは3学科共通で学びます。


現在の科学技術を支えている学問は,これまでの化学,物理,数学,生物学といった枠にはおさまりません。さらに,その知識や考え方は整理されなければ,膨大なものとなります。化学・生命系のカリキュラムには,これらを系統的に学びとる工夫がなされています。徐々に,専門化・細分化して行き,化学・生命系専門科目から化学生命工学科専門科目へと,より深く専門へ向けての講義が行われて行きます。


特に3年の冬学期には化学生命工学科の科目が中心になりますが,応用化学科や化学システム工学科の科目もほとんどが自由に履修可能で,逆に他の2学科の学生が化学生命工学科の科目を受講することもできます。


時間割にある科目が履修可能な全ての科目と言うわけではありません。他の化学・生命系の講義、他学科や他学部の講義も履修可能です。また,学年も標準的な履修学年をあげているにすぎません。

2年 A1 (2016年度 9/26〜11/15)

  8:30-10:15 10:25-12:10 13:00-14:45 14:55-16:40 16:50-18:35
生命化学 I 電気工学大要第一 有機化学 I 物理化学 I  
コンピュータ科学 分析化学 I 無機化学 I Introductory lectures for chemistry and biotechnology  
  計測通論B 数理手法 I 数学1E 数理手法 V
物理化学 I 有機化学 I 生命化学 I 電気工学大要第一  
無機化学 I 分析化学 I コンピュータ科学    

2年 A2 (2016年度 11/21〜1/20)

  8:30-10:15 10:25-12:10 13:00-14:45 14:55-16:40 16:50-18:35
生命化学 II 化学工学 I 有機化学 II 量子化学 I  
コンピュータ及び演習 分析化学 II 物性論 I Introductory lectures for chemistry and biotechnology  
  計測通論B 数理手法 I 数学1E 数理手法 V
有機化学 II 量子化学 I 生命化学 II 化学工学 I  
物性論 I 分析化学 II コンピュータ及び演習    

3年 S (2017年度 4/5〜7/14)

  8:30-10:15 10:25-12:10 13:00-14:45 14:55-16:40 16:50-18:35
分子生物学 I , II 化学工学 II バイオテクノロジー I 分子集合体化学 化学生命工学最前線
物理化学 II   実験及演習
有機化学 III 数学2F 分子生物学 I , II 化学・生命研究倫理  
量子化学 II 無機化学 II 実験及演習
化学反応論 I 高分子化学 I 実験及演習

3年 A (2016年度 9/26〜1/18)

  8:30-10:15 10:25-12:10 13:00-14:45 14:55-16:40 16:50-18:35
  分子生物学 III 有機・高分子演習  
物理化学 III ケミカル・バイオ・
インダストリー
実験及演習
有機化学 IV バイオテクノロジー II 実験及演習
高分子化学 II 化学工学及び演習 I 生命化学演習    
化学反応論 II 分離工学 I 実験及演習

4年 S (2017年度 4/5〜7/14)

  8:30-10:15 10:25-12:10 13:00-14:45 14:55-16:40 16:50-18:35
      化学・生命系実験及演習
    化学・生命系実験及演習  
      化学・生命系実験及演習 特許法(18:45-19:45)
  構造解析法 化学・生命系実験及演習 技術論
    化学・生命系実験及演習  

4年 A (2016年度 9/26〜1/18)

  8:30-10:15 10:25-12:10 13:00-14:45 14:55-16:40 16:50-18:35
卒業論文 卒業論文 国際経済学
卒業論文 卒業論文
統計解析 数理手法 III 卒業論文
卒業論文 卒業論文 Presentation, Discussion and Reporting  
卒業論文 卒業論文



化学基礎・専門科目

〜 有機化学 I 〜

有機化学とは,多様な有機化合物,有機化学反応を対象とし,それらを体系的に整理して理解することを目的とした学問分野である。本講義では,有機化合物の全体像を眺め,それぞれの構造,性質および機能を理解するとともに,有機化学反応を学ぶ上での基礎となる共鳴,酸塩基,立体化学といった基礎的事項について知ることを目的とする。

1. 有機化合物とは
2. 化学結合と分子間にはたらく力
3. 脂肪族化合物の構造と性質
 3.1 アルカンとシクロアルカン
 3.2 アルケンとアルキン
 3.3 ヘテロ原子を含む有機化合物
  3.3.1 官能基とヘテロ原子 を含む有機化合物の名称
  3.3.2 ヘテロ原子を含む有機化合物の特性
  3.3.3 ヘテロ原子を含む有機化合物の分子構造と性質
4. π共役系と芳香族化合物
5.複素環化合物
6 立体化学
7. 酸と塩基
8.カルボアニオンの生成と反応性

〜 有機化学 II 〜

有機化学Iと共に,有機化学の基本となる官能基変換反応,炭素-炭素結合反応などを理解し,多くの有機反応が統一的に整理できることを学習する。

1 求核付加反応 Grignard反応,還元,Wittig反応,アセタール化,イミンの生成,アルドール反応,Michael反応など
2 求核置換反応 SN1反応, SN2,反応,SNi反応,中間体,遷移状態,活性化エネルギー, Williamsonエーテル合成,Gabriel反応など
3 脱離反応 E1反応,E2反応,E1cB反応,Anti脱理, Zaitsev則など
4 求核付加脱離反応 加水分解,アルコール・アミンとの反応,有機金属試薬との反応,還元,Claisen縮合
5 求電子付加反応 ハロゲンの付加,ハロゲン酸の付加,水の付加,ヒドロホウ素化反応, 四酸化オスニウム酸化,過マンガン酸カリウム酸化,Markovnikov則など
6 転位反応 Wagner-Meerwein転位,ピナコール転位,カルボカチオンの安定性など

〜 有機化学 III 〜

有機化学に関する基礎的な事項を概説する。有機化学IIに続き、有機化学反応の基礎を学ぶ。

・芳香族求電子置換反応
・芳香族求核置換反応
・カルバニオンの化学
・ペリ環状反応
・酸化・還元反応
・ラジカル反応
・多段階合成

〜 有機化学 IV 〜

本講義では、有機金属化学や生物有機化学を中心とした分野について体系的に学ぶ。有機金属化学では、金属−炭素結合を含む化合物の構造と反応性について体系的に学び、特に物質合成に有用な反応についての知識を習得する。生物有機化学では、一連の生体物質について、その人工的な合成法を中心に有機合成化学的な側面から捉えることを目的とする。

有機金属化学
有機金属化学の基礎 典型金属化合物の化学 遷移金属化合物の化学
生物有機化学
糖、核酸、ペプチド、その他

〜 高分子化学 I 〜

高分子化合物は、身のまわりの様々な材料に利用されている重要な物質である。本講義では、高分子化合物に関する研究の歴史、基本的性質を序論で解説し、合成法に関して、反応種別に体系的な教育を行う。

1 合成高分子と天然高分子
2 高分子化学の歴史
3 高分子化合物の特徴(分子量、立体規則性、共重合シークエンス、高次構造)
4 縮合重合
5 付加重合(ラジカル的/イオン的)
6 共重合:モノマーの構造と反応性
7 重合反応の立体化学
8 開環重合
9 その他の重合反応
10 特殊な高分子化合物

〜 高分子化学 II 〜

本講義は高分子の特徴を,構造・物性・機能およびそれらの相関関係の面から理解することを目的とする.合成を中心とした高分子化学Iと共に学ぶことで高分子の全体像を理解できる.授業においては,まず,一次元構造が基本である高分子の分子鎖の特徴的な形態と,液体・固体・液晶・ゲルなどの状態における集合構造,その解析方法について学ぶ.次に,高分子の電気的・光学的・熱的・機械的な性質・機能・応用について,構造との相関を考えながら学んでいく.導電性・耐熱性・高強度・生体機能などを有する材料としての観点からも高分子を理解する.

1 高分子の特徴と分類
2 高分子鎖のコンホメーション
3 高分子液体
4 高分子の固体構造と熱特性
5 高分子液晶
6 高分子ゲル
7 高分子の電気的性質
8 高分子の光物性と光機能
9 高分子の機械的性質
10 高分子の生体機能

〜 分子集合体化学 〜

現実の世界では分子は単独では存在せず、何らかの集合体を形成して物質としての性質を示す。我々の体も、すべてが共有結合でつながった単一分子ではなく、いろいろな分子が精巧に組織化されることによって高度な機能を発現している、究極の分子集合体と見なすことができる。このように、分子集合は化学現象、生命現象いずれを理解する上でも極めて重要な概念である。本講義は、分子集合体の性質を理解する上で重要な事項を基礎から応用まで包括的に習得することを目的とする。

1. 序論
2. 分子間相互作用と分子構造
3. 分子集合体の熱力学とマクロな挙動
4. ホストーゲスト化合物
5. 溶液(ミセル、ベシクル)、ゲル
6. クラスター
7. 界面
8. 液晶、結晶
9. 生体における超分子構造とその機能
10. 分子集合体の特性解析

〜 分析化学 I 〜

この講義の過半は溶液化学(化学平衡と化学量論が主体)に傾注する。また、溶液化学と関連の深いイムノアッセイやバイオセンサー、クロマトグラフィー・電気泳動などの高度な分析法についてもあわせて学ぶ。

1)溶液化学
・酸塩基反応と中和滴定
・錯形成反応とキレート滴定
・酸化還元反応と滴定
・沈殿平衡とイオン交換平衡
・液液分配平衡と溶媒抽出
2)生化学分析
・抗原抗体反応とイムノアッセイ
・酵素反応とバイオセンサー
3)クロマトグラフィーと流れ分析
・分離の原理と分類
・段理論と速度論
・ガスクロマトグラフィー
・液体クロマトグラフィー
・フローインジェクション分析
4)電気泳動
・分離の原理
・ゲル電気泳動
・キャピラリー電気泳動
5)分析値の取り扱い
・統計量
・有意差検定
・検量線
・定量限界、検出限界

〜 分析化学 II 〜

本講義では、分光計測法を主体とした機器分析法について、原理と適用法を解説する。分光分析法では特に測定原理が重要で、エネルギー準位とスペクトル項、選択則と遷移などに関する理解を深め、原子、分子、固体の化学情報をいかに引き出すかに重きを置く。個々の測定法については、実験と演習に密接に関連させながら講義を進める。

1)分光化学基礎
・球面調和関数と原子軌道
・エネルギー準位とスペクトル項
・遷移とスペクトル
2)分光測定基礎
・ランバート=ベール則
・分光装置
3)原子分光法
・原子吸光
・原子発光・誘導結合プラズマ発光
・ゼーマン効果
4)X線分光分析法
・X線吸収分光 (XAFS)
・蛍光X線分光
・X線回折
5)分子分光法
・分子の構造とエネルギー構造
・フランク=コンドン原理
・吸光法と蛍光法
・赤外分光法とラマン分光法
6)電子分光分析法
・光電子過程とAuger過程
・X線光電子分光法
・Auger分光法
7)構造解析法基礎
・核磁気共鳴法
・質量分析法

〜 物理化学 I 〜

本講義では、物理化学の入門コースとして、化学反応を熱力学的観点から理解するための基礎力を養うことを目的とする。講義では、熱力学の基礎から始めるが、気相反応・液相反応の平衡定数と熱力学関数の関係など、化学熱力学を中心に取り扱う。すでに一度熱力学の基礎を学習していることを一応の前提とするが、十分な理解を得ていない場合でも本講義内容が理解できるように配慮する。

0. 序論
 0.1 物理化学とは
 0.2 物理量、単位と次元について
1. 仕事とエネルギー
 1.1 熱力学第一法則
 1.2 仕事と熱
 1.3 エンタルピー
 1.4 熱化学
 1.5 状態関数と完全微分
 1.6 ジュール・トムソン効果
2. エントロピーと自由エネルギー
 2.1 カルノーサイクル
 2.2 エントロピーと熱力学第二法則
 2.3 エントロピーの変化
 2.4 熱力学第三法則
 2.5 自由エネルギー
 2.6 自然変数とマクスウェルの関係式
 2.7 ギブスエネルギーの温度・圧力変化
3. 相変化
 3.1 化学ポテンシャル
 3.2 相と平衡条件
 3.3 相律
 3.4 相境界と相分離(クラウジウスークラペイロンの式)
4. 気体
 4.1 分子運動論
 4.2 実在気体:状態方程式と臨界定数
 4.3 理想気体の化学ポテンシャルと混合
 4.4 フガシティー
 4.5 平衡と平衡定数
5. 溶液
 5.1 部分モル量
 5.2 理想溶液
 5.3 束一的性質
 5.4 活量

〜 物理化学 II 〜

本講義「物理化学II」は、物理化学の基礎項目である、分子構造と分光学、分子統計熱力学、分子間相互作用、を理解することを目的とし「アトキンス物理化学」の13,14,16,17章および18章の一部(8版) [16,17,19,20章と22章の一部(6版)] に準拠する。(1)分子の基本的な運動と性質の理解、(2)マクロな物性との関係の理解、(3)熱力学関数などの基礎的な量の簡単な計算ができることを到達目標とする。

アトキンス物理化学の以下の章に準拠する
8版: 13,14,16,17章および18章(一部)
[ 6版: 16,17,19,20章および22章(一部) ]

--- Part 1. 分子構造と分光学 ------
(アトキンス 8版13-14章 / 6版:16-17章)
1. 分子の光吸収と光放出
1.1 ランベルト-ベール則
1.2 波長領域と分子運動
2. 二原子分子の振動
2.1 調和振動子近似
2.2 赤外振動遷移
2.3 振動ラマン散乱
3. 二原子分子の回転
3.1 剛体回転子近似
3.2 純回転遷移
3.3 回転ラマン散乱
4. 多原子分子の振動と回転
4.1 多原子分子の振動
4.2 多原子分子の回転
5. 電子遷移
5.1 電子スピン
5.2 電子軌道角運動量

--- Part 2. 分子統計熱力学 --------
(アトキンス 8版:16-17章 / 6版:19-20章)
6. 熱平衡状態
6.1 微視的平衡
6.2 巨視的平衡
7. 統計力学の方法論
7.1 分配関数
7.2 最優勢配置
8. 熱力学関数と分配関数
8.1 概念
8.2 内部エネルギー・熱容量
8.3 エントロピー

--- Part 3. 分子間相互作用 ------
(アトキンス 8版:18章[一部] / 6版:22章[一部])
9. 分子の極性
9.1 ミクロな極性
9.2 マクロな物性
10. 分子間力
10.1 双極子相互作用
10.2 相互作用ポテンシャル

〜 物理化学 III 〜

化学熱力学の基礎を復習の後、溶液の熱力学から電気化学までをカバーする。参考テキストとしてアトキンス物理化学(東京化学同人)を用いる。

1.1 エントロピー
1.2 状態関数
1.3 熱力学の法則
1.4 熱力学の関係式
1.5 化学ポテンシャル
1.6 気体の化学ポテンシャル
2.1 溶液の化学ポテンシャル
2.2 理想溶液
2.3 希薄溶液
2.4 部分モル量
2.5 束一的性質
2.6 活量
2.7 平衡定数
2.8 酸と塩基
2.9 生物活性
3.1 溶液中のイオンの熱力学
3.2 電気化学反応
3.3 電池の起電力とGibbs自由エネルギー
3.4 標準電極電位
3.5 起電力測定の応用
4.1 電気二重層
4.2 ガルバニ電位差と電極電位
4.3 電流の電位依存性
4.4 分極
4.5 電力の生産

〜 量子化学 I 〜

原子や分子の成り立ち、化学結合論を理解するには量子力学を少し学ぶ必要がある。量子力学はミクロな世界の法則であり、私たちのマクロな感覚にはなじみにくい面がある。しかしその面がそのまま化学現象に顔を出してくる。量子論の学ぶ面白さもそこにある。化学向けの量子力学入門について解説する。

1 量子力学入門
1.1 量子力学の起源
1.2 微視的な系の力学
1.3 量子力学の原理

2 量子論:手法と応用
2.1 並進運動の量子化
2.2 振動運動の量子化
2.3 回転運動の量子化

3 原子構造
3.1 水素型原子の構造とスぺクトル
3.2 原子軌道とそのエネルギー
3.3 多電子原子の構造

〜 量子化学 II 〜

ミクロの世界の法則がいろいろな化学現象に顔を出している。本講義では分子軌道法の基礎を学習する。分子軌道法の概念を理解すると、分子のいろいろな性質や化学反応が理解できるばかりでなく、それらの性質を実験で調べる代わりに、コンピュータで計算できるようにもなる。分子軌道法を理解することで、びっくりするほど明るく遠く眺望が開けてくる。

1、量子力学・原子の電子状態の復習
2、2中心1電子(H2+, HeH2+, ...)系
3、水素分子(H2)
4、等核2原子分子
5、異核2原子分子
6、多原子分子
7、定性的MO法
8、量子化学計算に向けて

〜 無機化学 I 〜

本講義は無機化学の入門コースであり、無機化学の全分野を俯瞰的に理解しアドバンストな講義(無機化学II、III等)を聴講するための基礎力を養うことを目的とする。授業の前半では無機化学全般の基礎となる原子構造や周期律、化学結合等を学習し、後半は各元素とその化合物の性質を系統的に学ぶ。さらに講義の終わりには生物無機化学等の無機化学の新しい領域についても概観する。

1. 原子構造と周期律
2. 化学結合
3. 酸・塩基
4. 酸化と還元
5. 元素単体と化合物
6. 金属錯体
7. 生物無機化学

〜 無機化学 II 〜

本講義は、金属錯体の性質や機能を理解するための無機化学的な原理・考え方を学ぶことを目的としている。金属イオン(あるいは原子)が様々な配位子(無機イオンや有機化合物など)と結合することにより形成された化合物、すなわち金属錯体は、様々な機能を有する分子として生命活動から工業的な物質生産にまで深く関わっている。従って本講義では金属錯体の様々な性質や機能に焦点を当て、これらの事象を理解するための原理・考え方を学び、化学における他の領域(物理化学・有機化学・生化学・分析化学等)との関連についての理解を深める。

1. 錯体化学
1-1. ウェルナー型錯体と有機金属錯体
1-2. 金属錯体の電子状態と反応
1-3. 金属錯体の分析法

2. 有機金属化学
2-1. 有機金属錯体の概要
2-2. 金属-炭素結合の性質

3. 生物無機化学
3-1. 金属イオンの生物学的機能
3-2. 金属タンパク質と金属酵素



生命基礎・専門科目

〜 生命化学 I 〜

生命活動の機作を化学の言葉で学び、生命反応を分子レベルで正確に理解する。これを通じて、化学と生命化学の融合領域である化学生命工学の基礎を確立する(生命化学IIと両方を履修することを前提とする)。

I. 生命化学とは何か?
 I-1 バイオテクノロジーとは何か?
 I-2 化学と工業技術の役割
 I-3 化学と生命:分子設計への道

II. 生体内で働く分子間力
 II-1 静電相互作用
 II-2 水素結合
 II-3 疎水相互作用
 II-4 van der Waals力

III. 生体エネルギー論:反応エネルギー源-ATP-
 III-1 ATPの役割
 III-2 ATPの自由エネルギーはどのように使われるか?
 III-3 ATPの生合成

IV. 生体分子の構造と機能
 IV-1 タンパク質と酵素
 IV-2 核酸
 IV-3 糖質
 IV-4 脂質

V. 生体分子の相互作用
 V-1 相互作用の速度論と熱力学
 V-2 タンパク質とリガンドの相互作用:原理と実際
 V-3 核酸の特定位置に結合するタンパク質
  V−3−1 核酸結合タンパクと遺伝子発現制御
  V−3−2 核酸に結合するタンパクモチーフ
  V−3−3 ゲルシフト法によるDNA結合タンパクの検出

VI. 分子生物学入門:セントラルドグマ
 VI-1 セントラルドグマとは
 VI-2 複製の分子機構
 VI-3 転写の分子機構
 VI-3 翻訳の分子機構

〜 生命化学 II 〜

生命活動の機作を化学の言葉で学び、生命反応を分子レベルで正確に理解する。これを通じて、化学と生命化学の融合領域である化学生命工学の基礎を確立する。

Ⅰ.酵素の触媒作用の基礎(第1回)
  Ⅰ-1 化学反応のEnergy Diagram
  Ⅰ-2 反応を速めるにはどうすればよいか?
  Ⅰ-3  酵素が用いる戦略:
         ・一般塩基触媒作用と一般酸触媒作用
  Ⅰ-4 分子内触媒作用の有効性

Ⅱ.酵素の作用機構(第2回)
  Ⅱ-1 酵素の概要
  Ⅱ-2 酵素はなぜ高選択的で高活性か?
  Ⅱ-3 酵素反応の動力学

Ⅲ.代表的な酵素の作用機構(第3,4回)
  Ⅲ-1 α―キモトリプシンとセリンプロテアーゼ
  Ⅲ-2 RNA加水分解酵素(リボヌクレアーゼ)
  Ⅲ-3 リゾチーム(多糖の加水分解)

Ⅳ.酵素反応速度のpH依存性
        ―なぜ至適pHがあるのか?―  (第5回)
  Ⅳ-1 アミノ酸側鎖の解離状態
  Ⅳ-2 仮想的な酵素のkcat のpH依存性
  Ⅳ-3 代表的な酵素のpH依存性

Ⅴ.酵素の反応機構の解析法
  Ⅴ-1 速度論的解析(Km, kcat)
  Ⅴ-2 官能基選択的な化学修飾
  Ⅴ-3 結晶構造解析
  Ⅴ-4 プロテインエンジニアリング

Ⅵ.補酵素 (第6,7回)
  Ⅵ-1 ピリドキサルリン酸
  Ⅵ-2 NADH
  Ⅵ-3 補酵素A
  Ⅵ-4 チアミン
  Ⅵ-5 ビオチン
  Ⅵ-6 脂肪酸の生合成 = 種々の補酵素の共同作業

Ⅶ.金属イオンの触媒作用(第8回)
  Ⅶ-1 金属イオンの特徴
  Ⅶ-2 金属酵素 カルボキシペプチダーゼA
  Ⅶ-4 金属錯体補酵素: コバラミン(補酵素B12)

Ⅷ. 酵素の拮抗阻害剤と医薬
  Ⅷ-1 サルファ剤
  Ⅷ-2 反応遷移状態アナログ(タミフル)

Ⅸ. 核酸(第9回)
  Ⅸ-1 核酸の構造と機能
  Ⅸ-2 融解温度Tm (二重らせんの安定性の尺度)
  Ⅸ-3 核酸の主要なプロトネーション

Ⅹ.核酸の特定位置に結合する人工分子(第10回)
  Ⅹ-1 インターカレーター
  Ⅹ-2 DNA3重らせん
  Ⅹ-3 マイナーグルーブ・バインダー
  Ⅹ-4 ピロール・イミダゾール系ポリアミド
  Ⅹ-5 人工核酸
  Ⅹ-6 遺伝子発現の人工制御

Ⅺ.核酸とタンパク質の化学合成と構造解析(第11回)
  Ⅺ-1 核酸の化学合成(ホスホロアミダイト法)
  Ⅺ-2 ペプチドの化学合成
  Ⅺ-3 核酸の配列決定
  Ⅺ-4 タンパクの一次構造の決定

Ⅻ.天然酵素と人工酵素 (第12回)
  Ⅻ-1 人工酵素の構築
  Ⅻ-2 制限酵素の構造と機能
  Ⅻ-3 人工制限酵素とニューバイオテクノロジー

〜 バイオテクノロジー I 〜

人類の営みを変革する技術であるバイオテクノロジー。そのバイオテクノロジーにおける重要分野である遺伝子工学および蛋白質工学について,広くその基礎と応用を学ぶ。

(1) 遺伝子工学の基礎
(2) 遺伝子操作技術1
(3) 遺伝子操作技術2
(4) 遺伝子組換え体の作製
(5) 蛋白質工学の基礎1
(6) 蛋白質工学の基礎2
(7) 蛋白質の抽出・分離・精製
(8) 蛋白質の構造解析と分子設計
(9) 蛋白質の改変技術
(10) 遺伝子組換え技術の産業への応用
(11) 蛋白質工学の産業への応用
(12) バイオインフォマティクス

〜 バイオテクノロジー II 〜

生物利用技術の生物学的・工学的側面について学ぶ。特に、細胞工学の基礎技術と、これを応用した医療用蛋白質生産技術、医療工学技術の現状について学ぶ。さらに、生物反応プロセス、バイオ生産物の分離精製プロセスに関して、プロセスの合理的設計・操作・制御を行うための工学体系の理解を目標とする。

(1) バイオプロセス工学の産業への応用
(2) 細胞工学の基礎1
(3) 細胞工学の基礎2
(4) 細胞工学の産業への応用1
(5) 細胞工学の産業への応用2
(6) 細胞培養技術
(7) バイオプロセス工学の基礎
(8) 培養操作1
(9) 培養操作2
(10) 分離精製システム

〜 分子生物学 I 〜

分子生物学の視点から、生命の基本的メカニズムの概要についての講義を行う。DNAや蛋白質の構造と機能に支えられた、細胞の機能についての理解を深める。特に、生命現象の分子レベルでの記述に関する基本的事項についての解説を行う。また、分子生物学の発展をもたらした研究手法や研究のコンセプト、あるいは生命化学的展開についても触れる。

1.細胞の基本構造とゲノム
2.酵素の機能と代謝系
3.蛋白質の構造と機能
4.DNAと染色体の構造、ヒストン
5.DNAの複製機構、修復機構、組換え機構
6.遺伝子発現機構、DNAから蛋白質への遺伝情報の流れ
7.遺伝子発現制御

〜 分子生物学 II 〜

分子生物学の視点から、生命の基本的メカニズムの概要についての講義を行う。DNAや蛋白質の機能と構造に支えられた、細胞の機能についての理解を深める。特に、遺伝学的な解析と、生化学的な研究の融合によって得られた生命像の基本的事項についての解説を行う。また、分子生物学、細胞生物学の発展をもたらした研究手法や研究のコンセプトについて論じる。21世紀の生物学の可能性についての展望と、社会的な意味についても述べる。

1. 蛋白質、DNA、RNAの研究法、遺伝子操作技術、クローニング
2. 細胞生物学の実験法、顕微鏡の原理、細胞の可視化、
3. 細胞膜の構造、脂質二重層、膜蛋白質の構造、リセプター
4. 小分子の膜輸送と膜電位、
5. 細胞内小器官と蛋白質の輸送のメカニズム、糖鎖付加、ゴルジ、小胞体
6. 細胞内小胞のよる物質輸送
7. エネルギー変換, ミトコンドリアにおける呼吸と葉緑体の光合成
8. 細胞間情報伝達

〜 分子生物学 III 〜

細胞内や細胞間での情報伝達機構のしくみを学習した上で細胞の営みや免疫、ガンなど高次生命現象を分子生物学的に理解することを目的とする。

1 エネルギー変換, ミトコンドリアにおける呼吸と葉緑体の光合成
2 細胞間情報伝達
3 細胞骨格
4 細胞周期とプログラムされた細胞死
5 細胞分裂のしくみ
6 細胞接着と細胞外マトリクス
7 生殖細胞と受精
8 多細胞生物の発生
9 ガン
10 免疫



工学基礎科目

〜 物性論 I 〜

物性論の目的は、物質、特に固体の持つ様々な性質(電気的性質、磁気的性質、等々)の起源を解析するとともに、より高度な機能を発現させるための物質設計指針を得ることにある。本講義では波数空間やバンド構造といった物性論の基礎概念を修得させ、それらが我々の知る身近な物性とどのように関わっているかを概説する。

1. 物性論序論

2. 物性論のための量子力学
2-1 量子力学の基本概念
2-2 外殻電子と化学結合
2-3 固体の近似法

3. 固体の電子状態と物性
3-1 金属の電子状態
3-2 絶縁体の電子状態とエネルギーバンド理論

4. エネルギーバンドと物性
4-1 半導体
4-2 固体の光学的性質

〜 化学工学 I 〜

化学反応器の設計、機能材料の製造、環境・エネルギー問題など具体的な課題に取り組む時に、移動速度論が必要になる。移動速度論は物質の輸送、拡散、反応を扱うため、広範な工学領域の基礎として位置付けられる。化学システム工学の基礎であり、分離工学や反応工学へと展開される。

1 化学工学の体系
  ・システムと要素
  ・単位操作
  ・移動速度論
2 収支の概念
3 流束の概念
4 律速の概念
5 微分方程式をつくる(定常)
6 座標系
7 定常と非定常
8 反応を伴う移動過程
9 流れの状態
10 流れを伴う移動過程

〜 化学工学 II 〜

化学工学は、化学プロセスをシステムとして捉えることにより、プロセスの合理的な合成・設計・建設・運転を実現させた学問である。今日その適用範囲は、地球環境、エネルギー、機能材料、バイオテクノロジー分野にも拡大している。化学工学IIにおいては、化学工学Iで既習の移動速度論以外の単位操作、反応工学、プロセスシステム工学に関して講義を行う。

1. 化学工学とその基礎
1.1 化学工学の目的と体系
1.2 物質収支とエネルギー収支

2. 化学反応操作
2.1 反応器設計の基礎
2.2 反応器の操作と反応速度解析

3. 物質の分離
3.1 物質の分離の原理と方法
3.2 分離操作

4. 流体からの粒子の分離
4.1. 粒子分散系の分類と粒子の物性
4.2. 単一粒子の運動
4.3. 流体からの粒子の分離と新規分野への展開

5. エネルギーの流れと有効利用
5.1. エネルギーの種類と性質
5.2. エネルギー利用の熱力学
5.3. 伝熱の基礎

6. プロセス制御
6.1. 制御の考え方
6.2. 現実のプラントの制御と今後

〜 計測通論B 〜

計測は、科学・工学の基本です。現象を科学的に理解するにはまず現象を計測する必要があります。また身近な電気製品からロボットまで、あらゆる自動機械はセンサによる計測値をもとに動いています。医療診断や製造の現場、地球規模の通信網まで、情報をそれらのシステムへ取り込む入り口は計測です。さらに複雑な信号パターンから必要な情報を抽出する方法を探究することは知能の正体を探索することにも通じています。本講義では、計測の実例を紹介しながら、計測に共通する概念や手法について整理します。

・計測とは
・単位・誤差
・計測法の基礎
・機械式センサを用いた計測
・電気式センサを用いた計測
・音波・電波・光を用いた計測
・神経インタフェースデバイス
・半導体センサ・MEMS・microTAS
・パターン計測
・時系列信号・信号処理

〜 電気工学大要第一 〜

1. アナログとディジタル
2. 抵抗、キャパシタ、インダクタ
3. ラプラス変換
4. フーリエ変換
5. 半導体とpn接合
6. MOSFET
7. 小信号モデル
8. ソース接地回路
9. 差動増幅回路
10. カレントミラー
11. フィードバック
12. 回路の安定性

〜 数学1E 〜

工学全分野で必要不可欠な道具である、常微分方程式、ベクトル解析、変分法について学ぶ。 実践的な理解を目指す。

(1) 常微分方程式
1-1 微分、テーラー展開
1-2 変数分離、常数変化法
1-3 定数係数線形常微分方程式、行列を用いた解法
1-4 完全微分
1-5 解の存在
1-6 解の安定性
(2) ベクトル解析
2-1 曲線、曲面
2-2 線積分、面積分
2-3 grad, rot, div
2-4 ガウス、ストークスの定理
(3) 変分法
3-1 汎関数とは、積分汎関数
3-2 変分とオイラー方程式
3-3 オイラー方程式の一般化
3-4 変分法の応用

〜 数学2F 〜

工学全分野に必要不可欠な道具である、複素関数論、フーリエ解析、偏微分方程式の基礎に関する解説を行う。

複素解析
1.複素数と複素平面
2.複素関数の連続性と正則性、コーシー・リーマンの関係式
3.等角写像、初等関数
4.特異点、分岐点、零点、無限遠点
5.複素積分、コーシーの定理、留数定理、コーシーの積分公式
6.テイラー展開、ローラン展開
7.留数積分と複素積分の応用
8.ガンマ関数とベータ関数

フーリエ解析
1.フーリエ級数
2.フーリエ変換
3.ラプラス変換
4.直交関数系による展開

偏微分方程式
1.物理現象と偏微分方程式
2.変数分離法による解法

〜 数学3 〜

確率に関するトピックの基礎を学ぶ

1.確率概念へのアプローチ
2.確率の基礎的な性質
3.ベルヌーイ試行
4.ランダムウォーク
5.確率微分方程式
6.確率積分
7.応用トピックス

〜 数理手法 I 〜

自然科学・社会科学の分野を問わずデータの分析には、確率・統計的なアプローチが必要不可欠となっている。この授業では、データ分析に必要な確率・統計学の基礎知識を学習する。

誤差が不可避な現実の測定結果に基づき妥当な理論モデルを検証するにはどうすればよいか?不確実な予測しかできない将来をどのように制御すればよいのか?こうした問題に合理的な解決策を与えることができる数学体系が、確率論・統計学である。この講義では、初等的・直感的な確率論の復習と統計推定の考え方から出発して、基本的な線形モデルや最小二乗法について実例を通して説明する。また、講義以外にパソコンを使った演習を行い、データ解析を行えるようになることを目的とする。教科書:縄田和満著、「Excelによる統計入門」、縄田和満著、「Excelによる確率入門」、朝倉書店

〜 統計解析 〜

科学・工学の基礎は対象の理解にある。その意味で、計測・分析とデータ処理は、科学的アプローチの基礎技術と言える。計測・分析は対象の実態を把握するための基礎技術であり、データ処理は計測・分析によって得られたデータから対象に対して知るべき有効な情報を得るための基礎技術だからである。本科目は、科学・工学に共通の第二の基礎技術といえる統計的データ解析法について、統計学の専門家としてではなく、統計学のユーザとして知っておくべき基礎的概念、方法論、手法を習得することを目的とする。

1 データの整理
2 推測統計学の考え方
  統計的推測の枠組み,検定と推定の考え方
3 正規分布に関する推測
  正規分布,母平均に関する検定・推定,
  母分散に関する検定・推定
4 分散分析
  一元配置実験データの解析,
  二元配置実験とそのデータ解析
5 統計的データ解析の適用
  「統計解析」のユーザとしての心得,
  統計的データ解析のコツ

〜 コンピュータ科学 〜

本講義はコンピュータのリテラシーおよびコンピュータの化学研究への応用のあり方を身につけるための入門コースであり、「コンピュータ」と「コンピュータ・ネットワーク」の仕組みの理解と責任をもった使い方、および化学研究におけるコンピュータの活用のあり方をまなぶことを目的とする。講義項目は、「コンピュータ」単独のセキュリティ、主な使い方として数値アルゴリズムの紹介、そしてコンピュータによる分子設計、材料設計、構造解析、反応設計、プラントの安全運転、×発物検出のためのコンピュータの活用事例などを考えている。

1. 社会と科学におけるコンピュータの役割
2. 責任をもったコンピュータの使い方
3. 数値アルゴリズムの紹介
4. コンピュータによる分子設計・材料設計
5. コンピュータによる合成経路設計
6. コンピュータによる有機化合物の構造推定
7. 安心・安全のためのコンピュータの活用
8. プラントの安全運転へのコンピュータの活用

〜 情報工学概論(インターネット工学) 〜

1. インターネットの概要
 1.1 インターネットの歴史と現状
 1.2 インターネットの技術的特徴
 1.3 インターネットの運営組織
 1.4 情報量を表す単位
2. インターネットにおける通信
 2.1 通信プロトコル
 2.2 物理層
 2.3 データリンク層
 2.4 ネットワーク層(IP)
 2.5 トランスポート層
 2.6 経路制御
3. インターネットのアプリケーション
 3.1 電子メール
 3.2 マルチメディアデータ形式
 3.3 World Wide Web
4. セキュリティと著作権保護
 4.1 セキュリティ概論
 4.2 暗号技術
 4.3 著作権保護

〜 Introductory lectures for chemistry and biotechnology 〜

化学と生命工学の基礎について、ネイティブ講師が英語で講義をおこなう。当該科目の英語での理解を目的とする。

〜 ケミカル・バイオ・インダストリー 〜

本講義は、実生産分野における化学およびバイオテクノロジーの役割を学ぶことを目的とする ・日本の一次エネルギーの半分を占める石油について理解を深めると共に、将来のエネルギーについて考える。 ・高分子の応用分野として分離膜を挙げ、素材としての変遷や課題を通して、高分子の構造(分子構造、高次構造)の重要性を学ぶ ・医薬品の研究開発において、何がボトルネックとなっているか、また生命科学に何が期待されているかを概説する。

〜 化学反応論 I 〜

現代のエネルギー問題、環境問題の解決のためには化学反応論は必須である。エネルギー源として最も重要な燃焼は複雑な多数の反応素過程から成り立っていて、高効率・クリーンな燃焼を実現するためにはこれらの反応系の詳細な知識が必要である。大気環境化学においても同様である。さらにナノマテリアルなどの材料合成においても化学反応に関する知識は必須である。 本講義においては、これらの(大気環境反応系、燃焼反応系、材料合成反応系など)の反応機構を理解して制御するための基礎理論を解説し、これらの系の制御法を理解することを目的とする。 このために素反応・反応速度等の概念を説明し、反応速度定数の測定法、理論的な計算法を概観する。また、燃焼反応系や大気環境化学の機構についても解説し、これらの反応系の解析方法を考える。

(1)実験的な化学反応速度論
(1.1)実験法
(1.2)反応速度
(1.3)積分速度式
(1.4)平衡に近い反応
(1.5)反応速度の温度依存性
(1.6)素反応
(1.7)逐次反応

(2)複雑な反応の速度
(2.1)連鎖反応
(2.2)爆発
(2.3)光化学反応
(2.4)重合反応

(3)反応の分子動力学
(3.1)衝突理論
(3.2)拡散律速の反応
(3.3)活性錯合体理論

〜 化学反応論 II 〜

本講義は化学反応論Iで学んだことを基礎にして、化学反応がどのように進むのかというより本質的な部分について学ぶ。さらにより複雑な反応である固体表面での化学反応、不均一系触媒反応、表面化学について知見を得ることを目的とする。

1.反応の分子動力学
1.1 反応性の出会い
      衝突理論
      拡散律速の反応
      物質収支の式
1.2 活性錯合体理論
      反応座標と遷移状態
      熱力学的な見方
1.3 分子衝突の動力学
      反応性の衝突
      ポテンシャルエネルギー面

2.固体表面の過程
2.1 吸着
      物理吸着と化学吸着
      吸着等温式
2.2 表面における触媒作用
      吸着と触媒作用
      触媒作用の例
2.3 表面科学的研究手法
      表面の組成
      表面の構造
      表面過程の速度

〜 分離工学 I 〜

化学プロセスをはじめとし、多くのプロセスシステムの中で分離技術、分離プロセスの占める役割は極めて大きい。本講義では、分離の原理、そこで利用される分離対象の特性、具体的な分離技術、分離プロセス、分離のエネルギーなどについて学習する。

1.序論

2.蒸留
 気液平衡
 単蒸留
 回分多段蒸留
 フラッシュ蒸留
 連続蒸留

3.ガス吸収
 平衡関係
 境膜
 操作線
 積分接触装置の有効高さ

4.抽出
 液液平衡
 並流多段抽出
 向流多段抽出

5.沈降分離
 粒子の終端速度
 水平沈降分離
 遠心分離

〜 構造解析法 〜

本講義では無機物質、有機物質の構造や性質を知る上で重要な汎用性のある機器分析法について学ぶことを目的にする。ここではどのような物質に対してどのような分析法が有効であり、またその実測データをどのような方法で解析すれば有効な化学情報が得られるかについて、演習を通して実際の解析法を演習を通して習得する。X線構造解析に関しては、原理の習得を目的とする。

1. 総論・1H NMR (1)
2. 1H NMR (2)
3. 13C NMR
4. 二次元NMR(1)
5. 二次元NMR(2)
6. 質量分析・赤外・その他
7. 結晶構造解析(1)
8. 結晶構造解析(2)
9. 構造解析演習
10. 構造解析演習
11. 構造解析演習
12. 試験

〜 コンピュータ及び演習 〜

数値計算の基本的な手法を習得するため、FORTRANプログラミングの基礎を学び、FORTRANプログラムを実際に作成して、 数値計算の演習を行う。

I.FORTRANプログラミングの基礎
1.FORTRANプログラムの作成と実行
2.変数の型、入出力、数式と関数
3.判断と飛び越し
4.繰り返し
5.配列
6.副プログラム
7.プログラミングのまとめと数値計算の基礎

II.FORTRANによる数値計算
8.方程式の解法
9.連立一次方程式
10.補間法と近似
11.常微分方程式の数値解法
12.数値積分法

〜 化学工学及び演習 I 〜

具体的な演習を通じて、化学工学についての理解を深めることを目的とする。本講義では移動速度論と反応工学を対象とする。

1. 移動速度論
 1.1 物性定数の推算
 1.2 定常状態
 1.3 非定常状態
 1.4 円管内流動
 1.5 流れを伴う移動過程1
 1.6 流れを伴う移動過程2
 1.7 反応を伴う移動過程
2. 分離工学
 1.1 分離工学に必要な物理化学・化学工学の基礎
    ヘンリーの法則、気液平衡
    境膜、物質移動係数
 1.2 吸収プロセスの計算
 1.3 蒸留プロセスの計算
 1.4 抽出プロセスの計算
 1.5 粒子分離プロセスの計算

〜 化学・生命研究倫理 〜

科学技術の高度な発展により、研究者・技術者としての高い倫理観が求められています。本講義では、化学・生命系の専門教育を学ぶ学部生を対象として、実験科学に必要な倫理的な問題を認識し、どのように対処すべきかを一緒に考えることを主眼としています。



演習講義

〜 有機・高分子演習 〜

本講義は、有機化学I~IV、高分子化学I、IIの内容を踏まえ、基礎から応用にわたって系統的に演習を行うことにより、有機化学、高分子化学に関連する実践的な知識を身に付けることを目的とする。

1 有機合成反応の実際(演習)
2 高分子合成反応の実際(演習)
3 高分子物性の実際(演習)

〜 生命化学演習 〜

演習講義、演習を通じて生命化学、分子細胞生物学、バイオテクノロジーの基礎知識の理解を深めるとともに、その応用力を涵養する。

(1) 化学平衡
(2) 酵素反応速度論
(3) 自由エネルギー
(4) 生体分子の基本構造・構造解析
(5) タンパク質の構造と性質
(6) タンパク質の抽出・精製(1)-遠心分離、塩析、クロマトグラフィー
(7) タンパク質の精製(2)・同定- 電気泳動、ウエスタンブロット、シークエンス
(8) タンパク質の細胞内機能とその応用
(9) ベクターと制限酵素
(10) PCR法
(11) cDNAクローニング
(12) その他の遺伝子解析法
(13) 遺伝子操作における生命倫理



学生実験

〜 有機化学実験及演習 〜

代表的な有機合成反応の実習を通して、有機化学反応に対する理解を深め、有機化学実験に関する基本操作を習得することを目的とする。

1 有機化学実験の基本操作
  実験室における事故の予防と処置、試薬類の廃棄
2 有機合成反応
 1 フリーデル・クラフツ反応
 2 アルドール縮合
 3 ディールス・アルダー反応
 4 トリサイクリックラクトンの合成
 5 グリニャール反応
 6 酢酸ビニルの重合

〜 生命工学実験及演習 〜

本実験は卒業研究にとりかかる前の工学部化学・生命系3学科の3年生を対象として,講義で学んだ生命工学に関する知識の理解を深め,遺伝子組換えや酵素反応解析を中心とする基礎的な生命工学実験手法を身につけさせることを目的に開講されるものである。本実験を履修しようとする学生諸君は,生命を対象とする実験の特殊性に留意しつつ,積極的な姿勢で取り組むことが期待されている。

I 生命工学実験の知識
 1 制限酵素
 2 ベクター
 3 クローニング
 4 電気泳動
 5 組換え蛋白質の発現
 6 酵素反応速度の解析法
II 遺伝子操作実験
 1 遺伝子の増幅・単離
 2 ベクターへの導入
 3 無菌操作
 4 形質転換
 5 遺伝子発現
 6 培養技術
 7 遺伝子解析
III 酵素反応速度の測定
IV 遺伝子組換え実験の安全性の確保について

〜 分析化学実験及演習 〜

機器分析法を中心にした各種分析法の原理・装置・応用例を実験を通して習得することを目的とする。

1)分析化学実験の基本操作
2)無機物の分析
  ・X線を用いた無機物の同定
  ・ICPおよび原子吸光による微量金属元素の定性
  ・定量分析
3)有機構造解析
  ・赤外吸収分析法および核磁気共鳴分析法による有機物の同定
4)分離分析
  ・マスキングと溶媒抽出による定量分析
  ・ガスクロマトグラフィーによる定性・定量分析
5)環境分析
  ・フローインジェクション法による金属元素の定量分析
  ・イオンクロマトグラフィーによる陰イオンの定量分析
6)生化学分析
  ・免疫分析
  ・バイオセンサー

〜 コンピュータ化学演習 〜

Windows計算機を用いたデータ解析,プログラミング,シミュレーションの基礎技術を取得し,演習を通してコンピュータ化学に関する理解を深める.

I データ解析
 Word・Excelの使い方を学び,Excelによるデータ解析・加工を行う.
II プログラミング
 CまたはFORTRANを使って基礎的なプログラミングを行う.
III 輸送方程式の数値計算
 有限差分法のプログラムを作成して輸送方程式の数値計算を行う.
IV 量子化学計算
 Gaussianを用いて非経験的量子化学計算を行う.

〜 物理化学実験及演習 〜

教室で習った物理化学の基礎を実験を通して確実に身につけること、また、物理化学系の実験における基本事項(装置や器具の使用法、データ解析法、結果の解釈方法等)を習得することを目的とする。

1) 起電力・導電率測定の熱力学的応用
2) 熱量測定
3) セラミックスの電気測定
4) 反応速度(ラクトンの酸加水分解)
5) 固体の光学特性
6) 光化学の基礎

〜 化学工学実験及演習 〜

化学工学の体系と基本的概念を、講義や教科書による学習に留めず、実際に装置を用いた実験を行うことにより、確実に理解することを目的とする。

1. 化学工学基礎
1) 移動速度論
2) 粉体工学

2. 単位操作・反応操作・プロセス
1) 分離工学‐蒸留‐
2) 反応工学‐固体触媒反応‐
3) プロセス設計演習