教養学部 総合科目D(S)
生体医工学基礎 I

化学生命工学基礎




レポート提出,その他

・レポートについて
詳しくはこちらのスライドを確認すること。
1回目(4/7〜5/26分)
提出期間:5/26(金)~6/9(金) 18時まで
2回目(6/9〜7/14分)
提出期間:7/5(水)~7/19(水) 18時まで
提出先:教務課の本講義用のボックス


・掲載中のレポート課題
(講義中の案内のみの場合もあります)
4/7(加藤):[PDF]
4/14(野崎):[PDF]
5/12(工藤):[PDF]

・講義資料の掲載について
本ページ内,各回のキーワードの下に講義資料を掲載する場合がありますが,著作権等の観点からアクセスは学内のネットワークに制限しています。情報教育棟やUTokyo-WiFiをご利用下さい。


・問い合わせ先:南 豪


2017年度 S 金曜2限 1214教室

各講義の概要紹介

4/7 光を操る・光が操る機能性超分子:エネルギー材料革命【加藤 隆史】

ホームページ:http://kato.t.u-tokyo.ac.jp/

「光」をコントロールすることは人類にとって重要な課題である。降り注ぐ太陽光を電気に変換する薄膜有機太陽電池,わずかな電力で明るく照らす有 機エレクトロルミネッセンス,光によって情報を発信する液晶ディスプレイ素子,大容量の情報を伝達する光ファイバ等がこれまでに開発されてきた。これらの最先端光機能デバイスの中心には,巧みにデザイン・合成された有機分子が活躍している。本講義では光と関わる最新の有機材料について,分子設計・分子配列制御技術からデバイス動作原理まで紹介する。

キーワード:超分子材料/光機能性分子材料/エネルギーマテリアル

4/14 CO2からつくるプラスチック:究極のリサイクルを目指して【野崎 京子】

ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nozakilab/

化石資源の枯渇に際し,化学産業は次世代の原料を模索している。環境問題を語る上ですっかり悪者になっているCO2は,実は一分子あたり炭素原子1個を含んでいる魅力的な炭素資源だ。CO2を炭素源とする材料は燃焼してCO2に戻っても,最終的にCO2の増加にはつながらないという視点からカーボンニュートラルと呼ばれている。現在カーボンニュートラルな材料として植物資源の利用が検討されているが,もっと効率の良い方法はないのか?ここが化学の出番である。

キーワード:CO2/グリーンイノベーション/生分解性プラスチック
講義資料のダウンロード(学内のみ):[PDF]

4/21 RNAが支配する生命現象:病気の原因を分子レベルで理解する【鈴木 勉】

ホームページ:http://rna.chem.t.u-tokyo.ac.jp/

ヒトを含め現存するあらゆる生命において重要な働きを担うRNAは,情報と機能の二面性を有する唯一の生体高分子である。生命はRNAから生じたとするRNAワールド仮説にはじまり,リボザイムやリボソームによるRNA触媒,マイクロRNAやRNA干渉による遺伝子発現調節など,RNAはあらゆる生命現象の根幹に関わっている。私たちはRNAの機能異常に起因するヒトの病気を発見した。病気の原因を分子レベルで理解することが如何に治療法の開発に重要かについてお話ししたい。

キーワード:RNAワールド/RNA干渉/RNA修飾/tRNA/リボソーム/RNA創薬

4/28  結晶性ナノ空孔を舞台とした化学【佐藤 弘志】

ホームページ:http://macro.chem.t.u-tokyo.ac.jp/

日常生活において酸素,窒素,二酸化炭素をはじめとする気体分子を意識する機会は少ない。一方,環境,産業,生命に関わる様々なシーンで気体分子は重要な役割を果たしている。本講義では,ナノメートルサイズの無数の「穴」があいた結晶をツールとして用いることで,一般に扱いの難しい気体をどのように扱うことができるかについて学ぶ。

キーワード:気体/多孔性材料/ナノ空孔/機能性材料

5/12 酵素をおおざっぱにまねる:ペプチド触媒【工藤 一秋】

ホームページ:http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/~kkudo/

酵素は,水中・温和な条件で,効率的かつ選択的に反応をすすめることができる究極の触媒であり,そのような優れた触媒の開発は,化学におけるものづくりである有機合成化学分野の大きな目標の一つである。酵素はアミノ酸でできているので,アミノ酸をつなげてできるペプチドにも触媒能があるのでは?と昔から考えられてきたが,意外なことにながらく成功例は限られていた。ペプチド触媒が本格的に開発されるようになったのは今世紀に入ってからで,他の触媒では実現の難しい反応にも使えることが明らかになりつつある。本講義では今後の発展が期待されるペプチド触媒について紹介する。

キーワード:合成化学/触媒化学/ペプチド

5/19 分子認識情報用トランスデューサ:分子間相互作用を電気信号に変換する【南 豪】

ホームページ:http://www.tminami.iis.u-tokyo.ac.jp/

究極の情報処理装置は,我々自身の生体であると言える。複数分子同士の特異的相互作用(分子認識)は,自発的かつ機能的に組織化された回路機構によって情報処理されており,生命活動を制御する根幹となっている。天然の情報処理過程に見られるように,分子認識機構の集積化と,適切な信号変換機能を組み合わせることによって,分子認識という微小な現象を知覚可能な情報にまで増幅させることができる。我々は,分子認識情報を受動的ないし能動的に活用する電子デバイス(有機トランジスタ)に基づき,分子間相互作用を電気信号に変換し得る情報処理システムの構築を目指して研究に取り組んでおり,それを紹介する。

キーワード:有機エレクトロニクス/分子認識化学/センサ

5/26 海水から真水!:世界の水問題解決に貢献する高分子分離膜【辺見 昌弘】

東レ(株)理事 技術センター(水処理)担当,研究本部(東レシンガポール水研究センター)担当

世界の水不足・水質汚濁は益々深刻になっています。水中の濁りからイオンまで取り除く高分子分離膜は,日本の得意とする技術であり,既に世界中の多くの人々を救っています。特に,逆浸透膜(RO膜)は,海水から真水を取ったり,下水や産業廃水を再利用できる水質に浄化したり,幅広く使われています。本講義では,高分子分離膜の基礎,最先端技術,応用までを紹介します。

キーワード:逆浸透膜/海水淡水化/界面重縮合

6/9 神経細胞は他の細胞とどう違うのか:脳の発生と疾患の分子機構【池内 与志穂】

ホームページ:http://www.bmce.iis.u-tokyo.ac.jp

ヒトの体は様々な性質と役割を持つ多数の細胞によって構成されており,中でも神経細胞は情報処理と伝達に特化した特別な細胞である。しかし,神経細胞を含む,体中の多様な細胞はすべて同じゲノム情報をもっており,もとをたどれば一つの受精卵から生まれたものである。神経細胞がどのように幹細胞から分化し,独特の細胞形態を形成し,他の神経細胞とのシナプスをつくるのか,そして,どのようにして高度に発達した脳を作りあげるのかを理解することは,今世紀の人類最大の挑戦の一つである。本講義では,神経細胞の発生を制御する分子機構と,関連する疾患について最新の研究を交えて紹介する。

キーワード:神経細胞/発生・分化/細胞内分子制御/神経特異的タンパク質

6/16 化学を使って生命の源を探ろう:遺伝子センサーを創る【岡本 晃充】

ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/okamoto/

生命分子システムの秘密を探るためには,有機化学を基礎にした分子設計が必要です。遺伝子のはたらきが細胞の中でどうやってコントロールされているか,これを観るために化学をどう使ったらいいのか,さらにはその結果としてわれわれの健康にどのように役立てられるのかを一緒に考えましょう。

キーワード:ケミカルプローブ/有機合成/ゲノムケミストリー

6/23 蛋白質をどうやって認識するか:抗体医薬と低分子創薬【津本 浩平】

ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/phys-biochem/

難治性とされてきた疾病が,今までとは異なる戦略により創製された新薬により克服される例が増え,創薬研究が新しい時代を迎えつつある。これは,創薬標的である蛋白質をいかに低分子や抗体で認識するか,についての本質がさまざまな手法を駆使することで明らかにされてきたことによる。本講義では,生命化学を基盤とした創薬の現状と今後について,最新の結果も交えて紹介したい。

キーワード:低分子創薬/抗体医薬/相互作用

6/30 ケミカルバイオロジー:生命を分子レベルで理解できるか?【山東 信介】

ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/sandolab/

私たちの体は分子の集まりである。体の中の分子の秩序だった活動が,生物が生命を維持する未解明の仕組みであり,その異常は様々な病気の原因となる。体の中の分子の活動を知ることができれば,病気のメカニズム解明や早期診断も可能になる。また分子レベルで細胞機能を制御できれば,新たな生命工学技術になる。本講義では,これら生命の理解や疾病診断・治療に貢献する分子技術について,代表例とともにその考え方を紹介したい。

キーワード:ケミカルバイオロジー/生命分子工学/生命と有機化学

7/7 細胞内シグナル伝達を操る:再生医療・創薬への応用を目指して【河原 正浩】

ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nagamune/CEG.html

細胞内シグナル伝達は,種々のシグナル伝達分子の相互作用と翻訳後修飾を介して,細胞の増殖,分化,遊走,死といった医療応用上極めて重要な運命制御に関わっている。本講義では,細胞内シグナル伝達の起点である受容体に着目し,そのリガンド受容能やシグナル伝達特性を改変することで細胞内シグナル伝達を操り,分子機能の解明から再生医療・創薬への応用を指向した研究について紹介する。

キーワード:シグナル伝達/細胞運命制御/蛋白質工学

7/14 化学と生物の接点でのものづくり【都築 博彦】

富士フイルム株式会社 再生医療事業推進室

近年の生物関連の科学技術の進展は目覚しく,化学産業としての活用も進んでいます。化学技術での日本の技術も世界的に優位な位置になってきていいます。しかし,生物分野では欧米,新興国が精力的に技術開発を進めており,日本は激しい競争の中にあります。このような状況において,化学的視点から生物を捉え”ものづくり”へとシームレスに繋げていくことが競争優位性の源泉となります。最近のトピックスを中心に,化学・生物に関わる”ものづくり”の一端を紹介いたします。

キーワード:多能性幹細胞/細胞工学/生産技術/画像