研究室紹介

工藤研究室

  • 大学院工学系研究科
研究分野
環境調和有機合成化学
キーワード
ペプチド触媒、有機分子触媒、選択的合成、生体模倣合成
URL
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/~kkudo/

MEMBERS

  • 工藤 一秋 教授 Kazuaki Kudo
    • 03-5452-6357
  • 坂間 亮浩 助教 Akihiro Sakama
    • 03-5452-6358

最近の発表論文

研究テーマ

生命活動は酵素が触媒する化学反応によって支えられており、酵素のもつ高い基質認識能と選択性は古くから有機合成化学者の手本となってきた。ただし、酵素が触媒するのは生命活動に必要な基質・反応に限られ、酵素を合成触媒と見なした場合、その汎用性には制限がある。一方で、人工触媒は広範な基質に対して作用するが、例えば位置選択性や化学選択性のように、実現の難しいものがある。そこで、両者のメリットを併せ持つ触媒としてペプチドを用いることを提案し、新奇な選択的触媒の開発を行っている。また、生合成を規範とする多様性のある合成法の開発も進めている。

高選択的ペプチド有機触媒の開発:

タンパク質である酵素は、水中、温和な条件で高効率、高選択的に触媒反応を進める。これは酵素分子の三次元構造に立脚している。それに倣って、酵素同様にアミノ酸から構成されるペプチドで、分子の二次構造に立脚した触媒能を示すものを見出す。既存の触媒では実現が難しい位置選択的反応や化学選択的反応の実現を目指す。

生合成機構を模倣した生理活性物質の合成:

生体は、さまざまな二次代謝物を作り出しており、その中には、薬理活性のあるものも多く知られる。そのような物質の人工合成はすでに達成されているが、安全面、コスト、環境面などで問題を抱える。我々は、生合成機構に倣った汎用性のある合成法の開発を目指している。