先輩からのメッセージ


木幡 愛

東京科学大学(旧:東京工業大学) 生命理工学院 助教
化学生命工学専攻 博士課程 令和4年修了

「本気で向き合うからこそ楽しい」

理系だから将来は研究者になるのかな?今の私は社会で何の役に立つのだろうか?未来への漠然とした不安を抱えながら、進振りを迎えました。当時学部2年の私は部活動に熱を上げ、理科が格別できるわけでもなく、一つのことに没頭する集中力と体力だけが取り柄の学生でした。教養課程で様々な学問分野を覗いていくうちにものづくりへ興味を持ち、生命の神秘を知ることにわくわくする自分がいることに気づき、その気持ちを大切にしようと、両方学べる化生を選択しました。
それからは化生の数多くの偉大な先輩、教授陣にご指導を賜り、切磋琢磨する同期、優秀な後輩たちに巡り会いました。化生は真摯に研究活動に取り組まれている人ばかりで、本気で向き合うからこその辛い経験も多く味わいましたが、何かを知るというよろこびは、いつも胸を高鳴らせてくれました。私は現在も自身の好奇心に耳を傾けることを忘れず、知りたいことや作ってみたいモノを追い求めて研究活動を続けています。
素晴らしい人との出会いがあなたの人生を大きく変えます。人生の大切な数年間を、世界的にも著名な教授陣のもとで過ごし、国内随一の研究環境に身を置いてみるチャンスです。化生は、本気で科学を学びたい研究がしたい熱意を持った人を待っています。

青木 翼

味の素(株) 勤務
化学生命工学専攻 博士課程 令和5年修了

「経験という武器が欲しい皆さんへ」

私は学部の講義を受ける中で、骨格を一から組み立てて新しい分子を生み出すことのできる化学に惹かれ、この学科に進学しました。ただ、在学中は、「生命工学との二刀流で他の化学系学科よりも凄そうだ」という思いと、「実はどっちつかずな学科なのでは」と悶々とした気持ちが同居していたこともあります。
しかし、会社でバイオ医薬の分野を研究することになって初めて、私は学科選びに成功したのだと心から感じることができました。幅広い講義やラボで学んだ内容のすべてが、「経験」という武器として今の仕事に活きています。まさに化学と生命工学の両輪があって初めて、それらの融合分野であるバイオ医薬の研究が成り立っているのだと実感しています。
皆さんの中には、「できるだけ楽な学科にしよう」と思われる方もいるかもしれません。しかし、東大入試という難関を突破した皆さんにこそ、新しい挑戦をしてもらいたいと願います。皆さんはこれまで、難しいと言えど “過去に誰かが登ってきた山” に登頂してきたわけで、これから学科に入って行う研究、そしてその先にある社会での仕事とは、 “誰も登ったことのない山” への挑戦だからです。「社会に出て前人未到の山に登る実力はあるか」「頼りになる仲間はいるか」、学科を選択する今、ぜひ自問していただきたいと思います。私が自信を持って言えるのは、化学生命工学科の先生は、必ずこれらを得るための力になってくれるということです。
皆さんが悔いのない学科選びをし、その結果が化学生命工学科であることを願っています。

高倉 眞優子

中外製薬(株) 勤務
化学生命工学専攻 博士課程 令和5年修了

「自分だけの発見を楽しんで」

私は進学先を選ぶ際、具体的に深く学びたい分野がまだ決まっていませんでした。化学と生物が何となく好きで、研究室見学が面白かったことから、化学生命工学科を選びました。 進学後の授業では、生命現象の基礎的なメカニズムから最先端のエンジニアリング、そして「モノづくり」に欠かせない多様な化学反応や高分子合成反応など、多彩な分野に触れることができました。ある現象のメカニズムの解明からその応用分野に至るまで、各講義で学んだ知識が次第に繋がり、一つの大きな絵を描くような感覚は忘れられません。
4年生からは研究室に配属され、本格的な研究生活が始まりました。私は工学部では比較的珍しい基礎研究分野の研究室に所属し、疾患の発生メカニズムに関連し得る生命現象の理解を目指して研究を行っていました。研究は大変なことも多いですが、新しい知見を得られた時の喜びは格別です。たとえ小さな発見でも「世界初の発見」という事実には、何とも言えない魅力があります。
本学科では、どんな興味も受け入れてくれる環境が整っています。幅広い分野のスペシャリストである先生方や仲間たちと共に学び、研究できたことは私にとって大きな財産です。本学科は「化学と生命のなんでも屋」として、様々な分野に挑戦できる場所です。きっと、あなたもここで没頭できる何かを見つけることができるでしょう。
ぜひ、本学科での学びを通じて、自分だけの発見を楽しんでください。


谷田部 浩行 (海外留学報告)

化学生命工学専攻 博士課程 在学中
日本学術振興会特別研究員(DC1)

「最先端の超偏極装置を持つ海外の研究室へ」

私は、博士課程1年時に米国国立衛生研究所(NIH)にあるMurali C. Krishna先生の研究室に半年間留学しました。
私は、学部4年から山東研究室に所属し、疾患診断への応用を目指した超偏極MRI分子プローブの開発を行っています。「超偏極」とは、分子プローブ(造影剤)のMRI信号を劇的に向上させる技術です。しかし、超偏極装置は非常に高価であり、世界的に見ても多くは普及していません。留学前は、超偏極装置を有する数少ない国内の研究室の協力を得ながら、開発した分子プローブの超偏極実験を行っていました。国内で超偏極実験ができる環境が整っていたことは幸運でしたが、マシンタイムが限られており、思うように実験を進められない状況でした。そこで、集中して超偏極実験を行うために、Murali研究室に留学することを決意しました。当時のMurali研究室には、超偏極装置が3台設置されており、超偏極実験を進める上でまさに理想的な環境でした。実際、2台の超偏極装置を同時に使えるタイミングもあり、効率的に研究を進められました。中でも、当時アジアには導入されていなかった最先端の超偏極装置(Spin Aligner)を使用できたのは貴重な経験でした。帰国後、最もSpin Alignerを使用した日本人として、共同研究者に助言を行う機会もありました。このように、留学先で学んだ技術や知見を日本に持ち帰るというのも留学の醍醐味の一つです。また、NIHにはさまざまな分野の専門家が集結しており、Murali研究室での議論は大変刺激的でした。科学を通じて世界中の研究者と交流することは、想像以上に楽しく、有意義なものでした。初めての海外生活で不安も大きかったですが、プライベートも含め、色々な体験をすることができ、留学を通じて成長できたと思います。
最後に、留学先でお世話になったMurali研究室の先生方、そして留学を後押ししてくださった山東先生と研究室のメンバーに、この場を借りて御礼申し上げます。


安田 壮秀

化学生命工学専攻 博士課程 在学中
統合物質・情報国際卓越大学院(MERIT–WINGS)コース生

「自らの手で開発した分子で生命現象を自在に制御してみたい」

ものづくりにも生命系にも興味があった私は、工学系で唯一その両方が学べる化学生命工学科に魅力を感じ、進学することを決めました。
進学当時は博士課程まで進むことは全く考えていませんでしたが、自らの手で開発した分子で生命現象を自在に制御してみたいという思いが募り、4年次には修士博士一貫コースでの進学を決めました。講義で学習した内容が自分の研究に反映されていく感動や、研究の最前線をいくスタッフの先生方や先輩の研究者としての姿、さらには充実した実験設備やサポート体制も博士課程への進学を決めた判断材料となりました。
今振り返ってみれば、3年次に学習した有機化学や生命科学の内容は、自分の手で合成した核酸分子を使って生命を制御しようとする現在の研究の確かな礎となっています。本学科では、有機化学などの中心分野以外にも、物理化学や分析化学など幅広い関連講義を受けることができます。知識を全く持ち合わせていない状態では好奇心を持つことも難しいですが、学会など他の研究に触れる際、広い知識は自らの好奇心の幅を広げてくれたと感じます。
本学科は、充実した環境でこれを研究したいんだ!という方にはもちろん、自分の研究したい内容が定まっていない方にもぴったりな学科だと思います。幅広い教育内容は皆さんの進路決定の一助となり、多様な研究室は皆さんの好奇心をきっと受け入れてくれるのではないでしょうか。


菅 翔吾

化学生命工学専攻 博士課程 在学中
日本学術振興会特別研究員(DC1)

「最高の環境で最高の研究を」

進学選択の際、高校生の頃から興味を持っていた有機化学をもっと深く学びたいとの思いから、先輩などの意見を参考にして漠然と化学生命工学科を選択しました。進学し、座学の授業で有機化学や分析化学などだけではなく生化学や分子生物学にも触れ、分子を通じて生命現象を解明する点が非常にわかりやすくて、高校時代には敬遠していた生物への理解度が少しずつ高まっていくとともに、未解明な生命の神秘を解き明かしたいと考えるようになりました。4年生からは神経生物学の研究室に配属となりました。研究室は僕たちの代が一期生であり不安なところもありましたが、他研究室の設備を使わせていただき、先生・スタッフの方々の懇切丁寧なサポートのおかげで、のびのびと研究に集中できる環境に身を置けています。そして研究を通じて世界中の方とやりとりし、新しい発見をしたときには非常に感動し、もっと多くのことを明らかにしたいとの欲求に駆られます。
学科に進学が決定してから研究室に配属されるまでの期間は1年半しかなく、そんな短期間で最先端の研究を行ったり世界中の人と競争できるのか不安でしたが、化学生命工学科では論文の読み方の指導や希望者向けの英語レッスンなどがあり、サポートが充実していて、研究生活が円滑に進むよう準備を整えてくれています。どうですか?皆さんも一緒に化学生命工学科で最高のサイエンスをしませんか?


秋山  奈穂

化学生命工学専攻 博士課程 在学中
東京大学生命科学技術国際卓越大学院プログラム(WINGS-LST)コース生

「面白いことをとことん追究できる環境」

昔から医薬・生命系の進路を考えてはいたものの、進学選択の際に具体的に「何を学び研究したいか」が思い浮かばなかった私は、視点を変え「面白いことをとことん追究できる環境」がある学科に進学しようと考えました。その結果、化学生命工学科を選んだ理由は2つあります。
まず、一流の先生方と充実した教育制度が揃っていること。本学科は講義内容や学科独自のプログラムを年々刷新するなど進歩的な雰囲気があり、教員の皆さんはサイエンスにストイックであるとともに教育熱心な方ばかりです。講義の質問をする時や実験結果について議論する際も先生がとことん付き合ってくださるので、それが刺激となり新たな興味や研究のモチベーションが湧いてきます。
次に、研究のテーマやアプローチが幅広く独特であること。化学と生命科学のダブルメジャーを特徴とする本学科には分子生物学から有機化学まで様々な領域を扱う研究室があるので、きっと心惹かれる題材が見つかるはず。私は生命系のラボに所属し遺伝情報がタンパク質へと変換される仕組みを研究しているのですが、研究室で独自に開発された分析機器を用いる場面が多々あります。同期の中には深層学習を用いた生体分子の分類に取り組む学生がいたりと、分析化学や情報科学まで駆使した独創性ある研究ができるのも工学部に属する本学科の強みでしょう。
皆さんが一度きりの大学生活を過ごす環境として、本学科が選択肢の1つになれば嬉しいです。


古畑 隆史

東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 助教
化学生命工学専攻 博士課程 令和2年修了

「化生を特徴づけるのは有機化学をも駆使した“作る”アプローチ」

“なぜ生命は勝手に動くのだろう?”、“どんなメカニズムで生命は維持されているのだろうか?”。私も、高校でDNAの作るらせん構造に惹かれ、それをきっかけに生命に対する素朴な疑問を抱いた一人でした。私にとって化学生命工学専攻 (化生) は、そんな疑問に化学の視点で答えてくれる、いや、自分で答えを心ゆくまで探すことができる、そんな場所だと思います。
生命現象は化学反応の織りなす複雑な自律システムです。そんな生命の仕組みを調べる方法は色々あります。例えば、実際に細胞や分子の動きを“見る”方法、あるタンパク質や遺伝子を“壊す”ことで、その影響を知る方法。これらは、いわば分子生物学の王道かもしれません。一方で、化生を特徴づけるのは有機化学をも駆使した“作る”アプローチ。生体反応を可視化する分子・手法を“作る”、細胞の動きを操る分子を“作る”、あるいは生体の動きを模倣したシステムを“作る”。生命は複雑で、なかなか思ったような振る舞いを見せてはくれません。でも、“作る”過程で重ねる試行錯誤の結果は、生体の秩序を維持し、時に変化させていく上で欠かせない化学的なエッセンスを教えてくれるのです。自分で作って操るからこそ分かる分子、そして生体反応の振る舞い。私は化生に進学して研究を進める中でそれらに触れ、動的で繊細な生命の化学に心動かされました。また、これらの新しい研究領域は画期的な薬の創出にもつながります。みなさんも、そんな“作る”生命化学の面白さに化生で触れてみませんか。


時丸 祐輝

旭化成(株)勤務
化学生命工学専攻 博士課程 平成31年修了

「科学者として社会に貢献する」

科学者として社会に貢献するためには、ひとつだけではなく複数の学問を組み合わせて、解決策を模索してゆく、新しい概念を創出していくことが必要です。そういった能力の向上のために、化学と生命科学のダブルメジャーを謳っている化学生命工学科に進学しました。
いざ進学してみると、有機化学と生命化学を中心に、化学工学、物理化学など驚くほど多様な授業を受講でき、大変ではありましたが確実に自分の力になってゆくのが実感できました。語学力を鍛える環境も充実しており、勉強する良いきっかけとなったのを覚えています。
4年生からは研究室に配属になり、世界最先端のサイエンスをエンジョイできます。博士課程ではデバイス構築に向けた芳香族化合物の合成研究を行いました。研究生活ではうまくいかないことも多いですが、優秀な仲間や先生たちと協力しつつ、うまくいったときの喜びは格別です。
現在私は化学メーカーで研究開発を行っています。必要になる 専門性の深さ、専門守備範囲の広さ、周りを巻き込む力、やりたいことをやり抜く力、全て化生で学んだことです。これらを武器に温暖化など地球規模の課題を解決し社会に貢献すべく奮闘しています。
みなさんも化学生命工学科で自分の可能性を広げてみませんか?あなたのチャレンジ精神に必ず応えてくれる環境です。


茂垣 里奈 (海外留学報告)

化学生命工学専攻 博士課程 平成31年修了

「海外留学で新しい研究分野にとびこむ」

私はリーディング大学院(ライフイノベーションを先導するリーダー養成プログラム, GPLLI)の海外短期留学制度を利用して、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zürich)のHelma Wennemers教授の研究室で約3ヶ月間研究を行いました。
私は学部の卒業研究から相田研究室に所属し、タンパク質や核酸などの生体高分子に接着する『分子糊』に関する研究をしています。短期留学に際し、「せっかく行くなら新しい研究分野に一から挑戦してみたい!」と考え、ペプチド化学を専門とするWennemers研究室で全く新しい研究を行うことにしました。
Wennemers研ではコラーゲンに関するテーマに携わり、ペプチドの合成や精製方法、各種アッセイを一から学びました。学部から大学院で学んだ基礎知識や研究に対する取り組み方・考え方は、慣れない環境・異なる分野でも大いに活きました。また、ETHは研究環境や設備が大変充実しており、ポスドクと博士課程学生を中心とする研究室のメンバーと共に、研究に存分に集中することができました。熱意のあるメンバーたちとの研究生活や(ときにお酒を片手にした)ディスカッションは刺激的でとても楽しかったです。
後日談ですが、私の留学から約1年半後、Wennemers研で一緒に研究をしていた博士課程学生が相田研に短期留学で滞在し、共に分子糊の研究に取り組みました。スイス滞在中も、学会や大学院生向けプログラムなどを通じて知り合った国内外の友人にアドバイスをもらったり、一緒に旅行に行ったりしました。科学を通じて世界中の研究者と交流できることも研究生活の魅力の一つです。
最後に、受入を快諾してくださったWennemers教授とお世話になった研究室のメンバー、留学に快く送り出してくださった相田教授、そしてご支援を賜りましたGPLLIにこの場をお借りして御礼申し上げます。


細野 裕基

化学生命工学専攻 博士課程 令和4年修了

「研究はわからないことだらけ、だから面白い」

『生命とは』 元々は宇宙工学に興味があった私でしたが、前期教養学部時代に生命科学の講義を受けてこの問いに出会い、学びたい分野がガラリと変わりました。自己複製や代謝などの生命活動の根底は分子の化学反応です。そのため、真の意味で『生命』を理解するには化学と生命科学を両面から学ぶ必要がある。そう考えて本学科を選択しました。学部3年次には「早期研究室配属」というプログラムに参加し、通常よりも早く研究室に配属されました。最先端の研究に触れる楽しさはもちろんのこと、座学と研究がリンクするので授業の面白さが一層感じられ、非常にいい機会でした。研究室では、配属当時より興味のあった、生体内で重要な機能を持つタンパク質を操る分子の設計を行なっています。当時は修士で就職の予定でしたが、研究の面白さに取り憑かれ、気づけば博士課程への進学を決めているほどでした。
研究はわからないことだらけです。だから面白い。もちろん上手くいった時の喜びは、表現しようがありません。さらに本学科には、そういった研究を楽しむ学生を全力で支えてくださる教員がいます、制度があります。共に研究を楽しみ、共に夢を描ける仲間がいます。研究するには最高の環境です。皆さんも私たちと共に本学科でサイエンスの楽しさを味わってみませんか?

泊 幸秀

東京大学 定量生命科学研究所 教授
化学生命工学専攻 博士課程 平成15年修了

「分子レベルで生命現象を理解するために」

化学生命工学科で学ぶ内容は非常に多岐にわたります。分子生物学・生化学にとどまらず、高分子化学、有機化学、物理化学、分析化学など、生物系に特化した学科では学ぶ機会が多くないものも含まれます。
私は現在、RNA干渉を引き起こすsiRNAを含め、遺伝子発現を緻密に制御している「小さなRNA」が働くメカニズムについて研究を行っています。日常的に使用するのは分子生物学・生化学が主ですが、分子レベルで生命現象を理解しようとした時、有機化学、物理化学などの知識は欠かすことが出来ません。学生時代に、当学科において幅広い分野の基礎をたたき込んで頂いたことは、私の大切な財産です。
また、学生実験・実習がとても充実しているのも当学科の特徴です。サイエンスにおいて、実際に手を動かさなければ身につかないことは数え切れないほどありますし、何より純粋に楽しいものです。実験・実習を通して、サイエンスの面白さの神髄に早い段階で触れられたことを、今も大変感謝しています。

鳴瀧(菅原) 彩絵

東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 教授
化学生命工学専攻 博士課程 平成16年修了

「自分の研究を世界に発信する面白さ」

原子や分子を診て操ることができる学問「化学」に興味があり、なかでも、複雑な分子システムである「生命」までを学ぶことができる化学生命工学科に魅力を感じて進学を決めました。3年次には有機化学や生命化学など、多岐にわたる授業や演習、実験をとおして専門科目への理解を深めます。研究室に配属されて未知の研究テーマに取り組む段階になると、先生や先輩との距離もぐっと縮まり、実験の進め方や論文の書き方などを直接指導してもらいます。私は卒業論文の内容を、学会や英文雑誌で発表する機会を与えていただき、自分の研究を世界に発信する面白さを知りました。博士課程まで一貫して化学生命工学科/専攻に在籍し、密度の濃い研究生活から多くのことを学びました。本学科で幅広く学んだ経験を生かし、卒業後には国内外の研究室で異分野の研究にも挑戦することができました。
現在私は、遺伝子工学と無機化学の境界領域に位置する研究をしており、学生時代に学んだことからアイディアを得ることもあります。化学生命工学科は、頑張る人を応援する、活気にあふれた学科です。自分の可能性に挑戦したい、元気な皆さんの進学をお待ちしています。