化学生命工学専攻
公開講座
化学生命工学 −未来への挑戦−
化学生命工学 −未来への挑戦−
東京大学教養学部の主題科目「化学生命工学 -未来への挑戦-」とは一部内容が異なります。東大生の聴講も歓迎します。
氏名,所属(学校名,学科名,専攻名,学年)と受講希望日(複数回も可)を明記の上, メールでお申し込みください。
メール宛先:
席に余裕がある場合には当日受付もします。
会場
・東京大学本郷キャンパス
工学部5号館1階 53号講義室
アクセス・キャンパスマップ
・東京大学駒場リサーチキャンパス(駒場 II )
As棟3階中セミナー室(As311号室)
アクセスマップ/キャンパスマップ
*開講日により会場が異なりますのでご注意下さい。
講義日程
本郷 11/28(土) 14:00~16:00
本郷 12/12(土) 14:00~16:00
駒場 12/19(土) 14:00~16:00
駒場 1 / 9(土) 14:00~16:00
本郷 1 /23(土) 14:00~16:00
本郷 1 /24(日) 14:00~16:00
駒場 1 /30(土) 14:00~16:00 *
* 公開時,1/31(土)と誤記載がありました。訂正の上,お詫びいたします。
ホームページ:http://macro.chem.t.u-tokyo.ac.jp/AIDA_LABORATORY/TOP.html
水は石油と並ぶ地球上の二大液体の一つであり,地球表面の60%を覆っている。環境・資源の観点から,石油などの化石資源にかわり,クリーンさの象徴である水から柔軟な素材を製造できれば,人々の生活は一変する。資源が乏しい日本の四方が海であることを考えれば「アクアマテリアル」は日本にとっての最重要探索課題の一つである。本講義では「アクアマテリアル」の発見から応用の可能性までを紹介する。
キーワード:グリーンマテリアル/バイオインターフェース/水素と酸素の元素戦略
ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/sandolab/
私たちの体は分子の集まりである。体の中の分子の秩序だった活動が,生物が生命を維持する未解明の仕組みであり,その異常は様々な病気の原因となる。体の中の分子の活動(=分子化学)を見る or 観ることができれば,病気のメカニズム解明や早期診断も可能になる。本講義では,これら生命の理解や疾病診断・治療に貢献する分子技術について,最新の結果も交えて紹介したい。
キーワード:ケミカルバイオロジー/分子イメージング/生命有機化学
ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nagamune/
分子認識能,情報伝達能など種々の機能を担う蛋白質の機能単位を人工的に改変,増強,複合化することによって天然を超えるキメラ蛋白質を創製し,医工学分野へ展開する試みについて概説する。
キーワード:蛋白質工学/酵素工学/細胞工学
ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nishiba/
現代の爆発的な人口急増に伴う食糧不足を解決した,20世紀最大の発明の一つである「ハーバー・ボッシュ法」。これを超えるアンモニア合成法を開発することはできるのか?ーいや,人類のさらなる発展のためにも,ぜひ開発しなければならない。常温常圧下での空気中窒素からのアンモニア合成反応に関する最先端の研究成果を含めて研究背景とその概略を紹介する。
キーワード:触媒化学/合成化学/グリーンサスティナブルケミストリー
ホームページ:http://www.chembio.t.u-tokyo.ac.jp/labs/hatanaka.html
細胞内では酵素を使って,様々なオリゴ糖を合成している。この精密なシステムを利用すると,人工的にオリゴ糖を生産することができる。ここでは,オリゴ糖の生産方法および生産したオリゴ糖を用いる糖鎖の生命工学について紹介する。また,フッ素を含む有機化合物(フルオロカーボン)が酸素ガスを多量に溶解することを利用して,その中で細胞を培養することができる。ここでは,フルオロカーボン中での細胞培養について紹介する。
キーワード:細胞培養/オリゴ糖生産/フルオロカーボン
ホームページ:http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/~houjou/hjlab_wiki/
材料として物質を眺めるときに重視される物性値は,構成原子・分子自体の性質のみならず,その集まり方にも左右される。分子の集まり方を調べるうえで結晶構造解析は強力な手段であり,世界には膨大な数の結晶構造を収めたデータベースもある。一方,分子構造から結晶構造を予測しようとなると,人類はまだ満足のいく方法を手にしていない。本講義では材料設計の出発点として結晶をとらえ,分子構造,結晶構造,結晶の諸物性の関係について紹介する。
キーワード:結晶工学/超分子化学/機能性材料
ホームページ:http://yoshielab.iis.u-tokyo.ac.jp/
一般に材料は,製造されたその瞬間から熱や光,機械的な力,電場,磁場など,環境中のストレスにより絶えず傷ついている。通常の材料であれば,一度ついた傷は癒えることはなく,一方的に悪化し,やがては致命的な破壊へと至る。 最近,致命的な破壊に至る前に,損傷を自発的に,あるいは外部刺激を受けて修復する材料が注目を集めている。修復性材料は安定した材料性能を長期にわたって保持できるため,製品の安全性を高め,また,部品の交換頻度の低減や製品の長寿命化を通じて低資源化 に貢献する。本講義では,ポリマー材料に焦点を絞り,自己修復のための分子デザイン,実際の合成・分析例,現状での問題点を紹介したい。
キーワード:グリーンマテリアル/スマートマテリアル/動的結合
ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/okamoto/
生命分子システムの秘密を探るためには,有機化学を基礎にした分子設計が必要です。遺伝子のはたらきが細胞の中でどうやってコントロールされているか,これを観るために化学をどう使ったらいいのか,さらにはその結果としてわれわれの健康にどのように役立てられるのかを一緒に考えましょう。
キーワード:バイオセンシング/ケミカルプローブ/ゲノムケミストリー
ホームページ:http://kato.t.u-tokyo.ac.jp/
「光」をコントロールすることは人類にとって重要な課題である。降り注ぐ太陽光を電気に変換する薄膜有機太陽電池,わずかな電力で明るく照らす有機エレクトロルミネッセンス,光によって情報を発信する液晶ディスプレイ素子,大容量の情報を伝達する光ファイバ等がこれまでに開発されてきた。これらの最先端光機能デバイスの中心には,巧みにデザイン・合成された有機分子が活躍している。本講義では光と関わる最新の有機材料について,分子設計・分子配列制御技術からデバイス動作原理まで紹介する。
キーワード:超分子材料/光機能性分子材料/エネルギーマテリアル
ホームページ:http://rna.chem.t.u-tokyo.ac.jp/index_j.html
ヒトを含め現存するあらゆる生命において重要な働きを担うRNAは,情報と機能の二面性を有する唯一の生体高分子である。生命はRNAから生じたとするRNAワールド仮説にはじまり,リボザイムやリボソームによるRNA触媒,マイクロRNAやRNA干渉による遺伝子発現調節と高次生命現象,RNAの機能異常に起因する疾患,更には次世代の治療薬としても脚光を浴びている。魅惑あふれるRNAの世界をご紹介したい。
キーワード:RNAワールド/RNA触媒/RNA干渉/マイクロRNA/RNA修飾/RNA創薬
ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nozakilab/
化石資源の枯渇に際し,化学産業は次世代の原料を模索している。環境問題を語る上ですっかり悪者になっているCO2は,実は一分子あたり炭素原子1個を含んでいる魅力的な炭素資源だ。CO2を炭素源とする材料は燃焼してCO2に戻っても,最終的にCO2の増加にはつながらない という視点からカーボンニュートラルと呼ばれている。現在カーボンニュートラルな材料として植物資源の利用が検討されているが,もっと効率の良い方法はないのか?ここが化学の出番である。
キーワード:CO2/グリーンイノベーション/生分解性プラスチック
ホームページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/phys-biochem/
難治性とされてきた疾病が,今までとは異なる戦略により創製された新薬により克服される例が増え,創薬研究が新しい時代を迎えつつある。これは,創薬標的である蛋白質をいかに低分子や抗体で認識するか,についての本質がさまざまな手法を駆使することで明らかにされてきたことによる。本講義では,生命化学を基盤とした創薬の現状と今後について,最新の結果も交えて紹介したい。
キーワード:低分子創薬/抗体医薬/相互作用
ホームページ:http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/‾kkudo/
酵素は,水中・温和な条件で,効率的かつ選択的に反応をすすめることができる究極 の触媒であり,そのような優れた触媒の開発は,化学におけるものづくりである有機 合成化学分野の大きな目標の一つである。酵素はアミノ酸でできているので,アミノ 酸をつなげてできるペプチドにも触媒能があるのでは?と昔から考えられてきたが, 成功例はほとんどない。我々は,酵素分子の構造をおおざっぱにまねたペプチドが優 れた触媒となることを見出した。
キーワード:合成化学/触媒化学/ペプチド
ホームページ:http://www.bmce.iis.u-tokyo.ac.jp/
ヒトの体は様々な性質と役割を持つ多数の細胞によって構成されており,中でも神経細胞は情報処理と伝達に特化した特別な細胞である。しかし,神経細胞を含む,体中の多様な細胞はすべて同じゲノム情報をもっており,もとをたどれば一つの受精卵から生まれたものである。神経細胞がどのように幹細胞から分化し,独特の細胞形態を形成し,他の神経細胞とのシナプスをつくるのか,そして,どのようにして高度に発達した脳を作りあげるのかを理解することは,今世紀の人類最大の挑戦の一つである。本講義では,神経細胞の発生を制御する分子機構と,関連する疾患について最新の研究を交えて紹介する。
キーワード:神経細胞/発生・分化/細胞内分子制御/神経特異的タンパク質