Sigma-Aldrich Rising Star Award ならびにLectureは、Merck/Sigma-Aldrich社のご厚意により、2019年11月に発足いたしました。折からのコロナ禍のため、研究者の招聘や、一堂に会しての講演会などすべての機会が失われてしまいましたが、ようやく昨年度、Rising Star Award受賞者の表彰ならびにSigma-Aldrich Lectureの開催に至りました。引き続き本年度も表彰及びLectureを開催出来ましたことは、化学生命工学専攻のプレゼンスや所属学生のモチベーションの大きな向上に繋がるものであり、ここに改めてMerck/Sigma-Aldrich社に感謝申し上げます。

昨年度のゲストスピーカーは2人とも有機化学の研究者でしたが、本年度は生命科学の中でもタンパク質や膜構造研究で著名な成果を上げている、米国Harvard University 及び Massachusetts General Hospital の Assistant Professor, Luke Chao 博士に特別講演をお願いしました。講演のタイトルは “Exploring mitochondrial membrane dynamics” でお話いただきました。講演には他学部の教授も含めて多くの参加者があり、学生からも多くの質問が寄せられ、活発な討論が行われました。

講演者を囲んでのコーヒーブレークの後、受賞者3名（五十音順でKunyi Leng氏、正田 浩一朗氏、杦山 真史氏）が、博士論文の内容について質問を含めて３０分の発表を行いました。いずれも英語での非常に洗練された発表であり、学術的レベルと発表能力の高さは十分にゲストスピーカーにアピールされたものと思います。

受賞者3名の講演終了後、Merck社 代表取締役社長 クリストファー・トーマス様よりお言葉を頂戴したのち、ご出席いただいたMerck社の皆様より、Rising Star Award受賞者3名にカードと花束の贈呈をいただきました。

発表終了後には、講演者を囲んでの意見交換会を行いました。化学生命工学専攻の修士、博士課程学生と若手教員を中心に32名が参加し、当日の講演内容や研究者生活・学生生活についてなどの情報交換を行いました。同じ専攻に所属しながらも普段あまり顔を合わせることのない学生同士の交流の機会になり、今後の専攻内共同研究などのきっかけとなったのではないかと考えております。

本年度もSigma-Aldrich Rising Star Award ならびにLectureを実施できたこと、化学生命工学専攻として大変嬉しく思います。昨年度と異なり生命系のゲストスピーカーを招聘したことで、化学生命工学専攻の幅の広さを示すことができましたし、普段生命科学の講演をあまり聞かない化学系の学生さんにも刺激になったのではないかと思います。また、本年度のゲストスピーカーのような、海外のまさにこれから伸びていく若手一流研究者とのディスカッションや授賞式を通し、学生はサイエンスの楽しさや研究者として興味を広げることの重要さに改めて触れ、エンカレッジされたことは間違いありません。化学生命工学専攻では、Sigma-Aldrich Rising Star Award ならびにLectureを継続して実施し、次世代の研究者の育成に努めてまいります。最後に、この実施にあたり多大なるご支援をいただいたMerck/Sigma-Aldrich社に専攻一同、心より感謝いたします。

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2022 Sigma-Aldrich Rising Star Award and Lecture

2023年3月20日（月）東京大学 本郷キャンパス 工学部5号館 51号講義室

青木　翼
小阪　高広
小菅　啓史
高倉　眞優子
東　拓也
龚　浩（Hao Gong）
Professor Rory Waterman (University of Vermont)
Professor Todd Marder (Julius-Maximilians-Universität Würzburg)