医用機能分子工学研究室

工学部 化学生命工学科 / 大学院新領域創成科学研究科 メディカルゲノム専攻

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/moldes/

  准教授
和田  猛

最近の発表論文

  • Chem. Soc. Rev. 2011, 40, 5829-5843. [PDF]
  • J. Org. Chem. 2011, 76, 5895–5906. [PDF]
  • Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 496–499. [PDF]
  • Chem. Commun. 2009, 2466–2468. [PDF]

研究テーマ

ヒトゲノムプロジェクトが完了し、様々な病気の原因や発症メカニズムがDNAレベルで理解可能な時代が到来した。その結果、病気の治療、診断、予防に関わる医学も今後大きく変貌することは確実である。当研究室では、DNAやその転写産物であるmRNAと選択的に相互作用し、標的遺伝子の発現を効果的に制御できる新しい核酸医薬を有機合成化学の手法を駆使して創製することを目指している。一方、ペプチド、糖、脂質などの生体分子に特有の高次構造や分子認識能を生かしつつ、これら生体分子の構造や性質を化学的に改変し、新しい機能性材料、バイオマテリアルあるいは医薬を創製する研究も行っている。

核酸医薬の効率的合成手法の開発:

現在確立されている固相法による核酸合成法は、少量多種の目的物を迅速に合成するために最適化されており、大量合成には全く適さない。今後、大きな需要が見込まれる、アンチセンス核酸やsiRNAなどの核酸医薬を大量に合成するために、全く新しい合成戦略に基づく核酸の高効率合成手法の開発を行っている。

ヘテロ原子のキラリティー制御:

不斉リン原子や不斉ケイ素原子を有する人工生体分子を立体選択的に合成し、それらを利用した新しい医薬、機能性材料やバイオマテリアルの創製を目指している。新しい反応や化合物のデザインには、非経験的分子軌道計算や分子力学、分子動力学計算を積極的に取り入れ、理論的なアプローチも行っている。

原始核酸モデルの合成と分子認識:

地球上の生物が利用している糖、アミノ酸、核酸はすべて光学活性体であり、分子のキラリティーが生体機能の発現には必須である。しかし、生命の起源とキラル分子選択のメカニズムは、現在のところ全く解明されていない。そこで、キラルな骨格を有する原始核酸モデルをデザイン、合成し、その高次構造形成、分子認識、機能発現の過程を明らかにすることにより、生命分子誕生の謎に迫る。

分子認識能を有する人工オリゴ糖の合成とDDS:

核酸医薬の効率的なDDS構築を目指し、二重鎖RNAに選択的に結合してRNAを安定化する、新しい構造と機能を有する人工オリゴ糖の合成を行っている。また、様々な大きさの脂溶性薬剤を包接し、生体内に効果的に輸送できる新しい人工オリゴ糖のデザインと合成を行っている。